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不確実な時代でも、真理の追究を忘れずに。大学院修了式、大学卒業式が挙行されました。

2021.03.31

3月11日から3月13日までの3日間にわたり、大学院の修了式および大学の卒業式が執り行われました。

大学卒業式の様子

2019年度は新型コロナウイルスの影響もあり開催中止となりましたが、2020年度は万全の対策を講じ、3月11日に大学院の修了式、3月12日午前は農学部・工学部、午後は教育学部、そして13日には午前が経営学部・リベラルアーツ学部・観光学部、午後は文学部・芸術学部という日程で行われました。会場である大体育館へ入場する際には検温と手指消毒を欠かさず、座席の間隔も開けました。そして従来の玉川大学管弦楽団の演奏は録音された音源に代わり、参列者は斉唱せずに合唱団が心を込めて合唱しました。さらに参列が難しい地方の保護者の皆さんに向け、インターネット配信も行いました。

3月11日実施、大学院修了式の様子

会場は静寂に包まれ、式は厳かに始まりました。国歌静聴の後に学位記授与があり、各学部学科の代表者が壇上に上がって小原学長から学位記を受け取ります。学位記授与の後には学長賞の授与も行われました。学長賞は各学科で在学全期間を通して成績・人物共に最優秀と認められた学生に贈られる名誉ある賞で、19名の学生に贈られました。

学長賞を授与した学生のうち4名が、卒業生代表スピーチを行いました。

農学部生産農学科の大友怜奈さんは、野菜の栽培や南さつまキャンパスでの実習について触れ、「『育てる』とは、自己管理、自己責任を基盤とする土壌が大切であると学びました。それは、机上では決して学ぶことのできないことでした。心を育てるのも、野菜を育てるのも、共通の命をどのように生かすか、生かされるか。私の人生も、この命をどのように生かすかを、今、肌で感じています」と語りました。

一度就職をした後に編入学した教育学部教育学科の藤森達也さんは、「学園祭のゼミ発表では、メンバーそれぞれが担当箇所を仕上げ、各人の個性を一つにまとめた発表を行うことができました。今後出会う人々も私とは違う人生を歩んできており、私とは違う考えを持っているでしょう。その時、相手を認め、協力し合えるようにしていきたいと思っています」と、今後の教育現場での活動に役立つ大学時代の経験に触れました。

観光学部観光学科の佐野来見さんは、1年間の留学経験から「英語力向上や学問の修得だけでなく、多様な人との交流の中で、相手を理解し、否定しないことが大事だと学びました。この先も仕事でバックグランドが異なる人たちと関わることが増えると思いますが、このことを大切に日々精進していきます」と、自身の成長について言及しました。

文学部国語教育学科として初めての卒業生となる村主愛香さんは、「所属したゼミも初めて開講されたゼミで、たくさん迷いながら一から作り上げていきました。ゼミの3年生から『先輩たちの残してくれたものをより良くしていきます』という言葉を聞いて、妥協せず取り組んで良かったと感じました」と、一期生として果敢に挑戦した日々を振り返りました。

そして全員が教職員や家族への感謝の言葉と同時に、新型コロナウイルスの影響でリモート学修の日々が続いたことから、当たり前と思っていた日常がとても大切なものだったということを口にしました。

卒業生代表スピーチに続いて、小原学長からの祝辞がありました。「まさにパンデミックが、社会のVUCA※1を進めているように思えます。今、確実にいえることは全てが不確実だということです。これからの時代は従来の学問的枠組みの中で、しかも分野単独で、社会が直面する課題を解決することは難しくなっています。それだけ世界は複雑で曖昧さが強いからです。「朝令暮改」は拙速な政策変更を諫める言葉ですが、現代社会においてはこうした速度で課題解決に取り組むことも必要になるでしょう。それが、VUCA時代の特徴なのかもしれません。新しい生活様式が模索されている現在、STREAM※2が果たす役割に多大なる期待が寄せられていますが、社会人になってからも君たちの真理の追究である学びは続くのです」と、小原学長はお祝いの言葉に加えて、複雑な時代に社会へと旅立つ卒業生たちに向けてエールを送りました。

最後に、会場の全員が立ち上がり、校歌を静聴しました。実はこの校歌の音源は、卒業生たちが一年次のパシフィコ横浜で行われた音楽祭で歌ったときのもの。大きなステージでベートーヴェンの第九シンフォニーを歌った思い出が、多くの学生の胸に去来したかもしれません。

こうして2年ぶりの卒業式は終了しました。参列者の拍手に送られ、一列になって会場を後にする卒業生たち。大体育館の外では大きな歓声を上げることなく、互いをたたえ合い、喜び合う卒業生たちの姿がありました。彼らがこれからも玉川学園のモットーである「人生の最も苦しい いやな 辛い 損な場面を 真っ先に 微笑を以って担当せよ」を胸に、それぞれの場所で活躍することを願っています。

  • 1VUCA:
    ビジネスなどにおける不安定要素を示す4つの言葉、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字で構成された、現在社会を表すキーワード。
  • 2STREAM:
    これまで提唱されてきたSTEM[Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)]教育に、Robotics(ロボティクス)、Arts(芸術)を加えた、玉川学園の取り組んでいる教育を指す言葉。

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