地域のリソースを活用し振興策を考える。観光学部生がFC町田ゼルビアとの教育連携でその取り組みを学びました。

2021.08.17

玉川学園は2009年から、サッカーJリーグのFC町田ゼルビア(以下ゼルビア)とトップパートナー契約を締結しています。各ディビジョンでサッカー教室や特別講演を開催したり、ゼルビアの選手がチームビルディングのためにTAPを活用するなど、さまざまな連携が生まれています。6月28日(月)には観光学部の授業でゼルビアのマーケティング担当者が講義を行い、学生たちはオンラインで聴講しました。

今回教育連携を行ったのは、観光学部の鎌田伸尚教授が指導する「観光経済学」。普段は観光企業の経済活動などにスポットを当てて授業を行っていますが、その他さまざまなビジネスの現場で活躍している方をお招きした特別講義も複数回実施。現場担当者の生の声を聞き、学生たちの現状を分析する力を養っています。この日は株式会社ゼルビアのマーケティング部 部長である田口智基氏をお招きし、プロサッカークラブのビジネスモデルや地域振興活動などについて語っていただきました。

田口氏は大学を卒業後PR会社に就職。そして2009年から株式会社ゼルビア(FC町田ゼルビア運営会社)で働いています。

この日の講義は、ゼルビアというクラブの概要から始まりました。「Jリーグには56のクラブチームが所属していますが、ゼルビアはその中でも数少ない特徴を持っています、それは、ホームタウンが県庁所在地でも政令指定都市でもない単一都市で、なおかつトップチームが生まれてからジュニアチームが作られたのではなく、子どもたちのサッカークラブからボトムアップで生まれたプロサッカーチームだという点です」と田口氏。多くのJリーグクラブチームは地域密着を謳っていますが、ゼルビアはまさに地域から生まれたクラブチーム。だからこそ、『町田市民が誇ることができ、地域の発展に貢献できるクラブであること』を理念としています。

そうした中でさまざまなビジネスを展開しているゼルビア。試合時の入場料収入はもちろんのこと、グッズ販売などによる物販収入と、協賛によって得られる広告収入が収益の三本柱となっています。こうした活動の中で、サポーターや地域住民、自治体やパートナー企業といったステークホルダーと、同じ方向を向くことが大切だと、田口氏は説明します。


地域密着型ビジネスを推進するクラブチームでは、地域住民や自治体、企業などに魅力を伝え、共に勝利をめざすことが重要になってきます。そうした気持ちを醸成するための施策としてゼルビアが取り組んでいるのが、共創型の地域振興策。たとえば地域からの要望に対し、ゼルビアができることを考えて形にした代表的な取り組みが「ゼルビアウォーキング」です。この取り組みはコロナ禍で自宅での学習や在宅勤務が多い昨今、密を避けながら外出して運動し、健康増進をめざすという内容です。また「ゼル塾」はゼルビアのwebサイトで、「さんすう」「えいご」「こくご」「れきし」「せいかつ」など各教科の問題を掲載。シートにはゼルビアの選手が登場したり、えいごでは、ドリブルという英単語の綴りを覚えたり、こくごでは、ひらがなやカタカナなどで選手の名前を練習の題材にするなど、随所にサッカーやゼルビアにまつわる内容が入っています。「このように、ゼルビアではサッカーを通して地域にどんな貢献ができるのか、地域の皆さんと一緒に何ができるのかを常に考え、活動しています」と田口氏。プレゼンシートにも「すべては町田と子どもたちの未来のために」と書かれていたのが地域とともにあるゼルビアの形を象徴していました。また田口氏は「ゼルビアはサッカーのクラブチームですが、だからこそ地域に貢献できる役割もあると思っています。たとえばゼルビアが今よりも強くなれば、地域にサポーターが増えて町田市の知名度がさらに上がり、多くの人が訪れ、更なる活気が期待できるでしょう。皆さんには、そういう目線でクラブチームを見てもらえたらと思います」と幅広い視点でみることの重要さを語りました。

学生たちはこの日の講義をもとに、翌週からさまざまな企業事例を分析しながらグループワークに取り組んでいきました。「サッカー」というリソースを、ビジネスにどのように展開していくか。地域に密着しながら多くの工夫でこのミッションに取り組んでいるゼルビアの事例は、地域振興や地域の活性化に光をあてる「観光」について学ぶ学生たちにとって、いいヒントになったことでしょう。

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