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自分たちの未来を自分たちで変えていく。5年生が勉強会「SDGsがつくる地球の未来」に参加。専門家と意見を交わしました。

2021.09.03

6月23日(水)、玉川学園5年生を対象に、「SDGsがつくる地球の未来 ~自分たちの未来を変えていくために~」というテーマで勉強会が行われました。ゲストスピーカーとして公益社団法人日本環境フォーラム事務局長の加藤超大氏と、東京ガス株式会社ソリューション共創部の森高雪菜氏が来校。今回は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から両氏が音楽室で行う講演を多くの児童は各教室に配信される映像で視聴し、学級委員がクラスの代表として両氏との意見交換に臨みました。

森高雪菜氏
加藤超大氏

この日の勉強会で児童たちがまず考えたのは、2030年の私たちの暮らしについてです。SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)は、2015年に国連総会で採択された国際目標です。そしてそのゴールと定めているのが、9年後の2030年なのです。「2030年がどんな未来になるのかを考える前に、9年前の2012年について考えてみましょう」と加藤氏が提案します。9年前といえば5年生の児童が1、2歳の頃ですが、時代背景を想像しながら「スマートフォンはまだ普及していなかったのではないか?」、「スーパーマーケットではレジ袋がもらい放題だったはず」など、思い思いに考えたことを発表しました。また「ジェンダーなど、考え方もずいぶん変わったと思う」といった意見には、加藤氏も驚いた様子を見せます。「9年前と現在を比較して、ずいぶん変わったと思う部分もあれば、そうでない部分もあります。それぞれで感じ方も違うと思います。ただ、9年あればできることはいろいろありますね。では、2030年はどんな未来になっているのでしょうか」という加藤氏の問いに対し、今度は「電気自動車が中心になる」、「AIで生活が便利になる」といった意見が。「将来はAIが進化して、学校の先生が必要なくなるのでは?」といった発言もあり、進行役の安倍尚樹先生が答えに窮する場面もありました。こうした議論を行った後、加藤氏はSDGsがめざす「誰一人取り残さない」未来のために、環境目標の達成がとても重要であることを児童たちに説明。児童も納得した様子でした。

SDGsについての理解を深めたところで、続いて地球環境の現状に関する説明がありました。まずは森林破壊について、「この瞬間にも、地球上で多くの木が伐採されています」と加藤氏。面積で換算すると、1秒間に約畳882枚分の森林が減少しているという具体的な数字に、児童たちは言葉を失います。森林破壊だけでなく気温の上昇や種の絶滅といった地球規模の課題について、企業や自治体でもさまざまな取り組みを行っていると森高氏は話を続けます。たとえば東京ガスではカーボンニュートラル都市ガスを導入。これはエネルギーに変換する際に発生するCO2を、森林保全や植林で吸収するCO2で相殺するというもの。また消費期限が近づいた食品をオンラインショップで安く提供し、フードロスを減らすといった取り組みも行っています。一方、加藤氏が所属するNGOでも、開発途上国の健全な生活改善をめざす「フェアトレード」や自然や環境をテーマにその地域の魅力を伝える「エコツーリズム」など生活改善や価値創造に貢献する取り組みを途上国で行っているそうです。「単にお金で支援するのではなく、ビジネスの仕組みを作り、ノウハウを提供して継続してもらうことが大事です」と、加藤氏は児童たちに語り掛けました。

両氏の講演終了後には、児童との質疑応答の時間がありました。「プラスティックの海洋汚染について知ってから、レジ袋などを使わないようにしていますが、他に何かできることはありますか?」、「SDGsの17のゴールの中で、現状で一番進んでいるのは?」、「SDGsを策定してから、どれくらい地球は良くなりましたか?」といった児童からの質問に、加藤氏と森高氏は丁寧に答えてくださいました。また「海外へ行って、『これは日本でも取り入れたい』と感じた取り組みは?」という質問に対して、「実はカンボジアには、SDGsの17のゴールに加えて、もう一つのゴールがあるんですよ」と森高氏が二人を代表して答えます。驚く児童に対して「それは、『地雷をなくそう』です。」と内戦が続いていた国だから解決しなくてはならない社会課題があることを児童たちに伝えます。続けて「カンボジアのように日本にも17のゴール以外に達成しなければいけないゴールがあると思います。皆さんも自分なりのゴールを考えて、取り組んでみるといいのではないでしょうか」と、森高氏はメッセージを送りました。加藤氏からは「17のゴールの中で日本でも課題になっていることなのに認知が進んでいないことがあります。そういったことに気づき、少しでも多くの人に知ってもらい、皆さんがやれるところからやってみる。その輪が大きくなれば社会全体が動くはずです。今日のお話しをぜひ保護者の方やお友達にしてみてください。そして小さなことでいいからやれることをやっていきましょう」とエールをいただきました。

SDGsに記された17のゴールは、2030年に19・20歳を迎える彼らにとって、まさに当事者として考えなければいけないテーマです。児童たちはこれから今日のお話やいままで学習してきたことを受け、SDGsに関する歌を作詞作曲する取り組みます。夏休みを利用して児童たちの発想は膨らみます。それぞれの児童が思い描く「SDGsがつくる未来」の歌の完成が今から楽しみです。

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