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FC町田ゼルビアによるオンライン特別セミナー。中学部・高等部のサッカー部員が、現役Jリーガーからアドバイスを得る、またとない機会となりました。

2021.10.21

2009年にサッカーJリーグのFC町田ゼルビアとトップパートナー契約を締結した玉川学園。以来さまざまな教育連携を行っており、その内容は幼稚部の延長教育プログラムから大学での特別講義まで、多岐にわたります。夏休み期間中の8月19日(木)には、中学部と高等部のサッカー部員を対象にオンライン特別セミナーを開催。特に高等部の生徒たちは、10日後の29日(日)に全国高校サッカー選手権大会東京都予選の初戦を迎えるという大切な時期。日頃から気になっていることを現役Jリーガーに直接聞くことのできる、またとない機会となりました。

この日のセミナーでは、昨年までプレーヤーとして活躍し、現在はクラブナビゲーターとしてチームをサポートする李漢宰(リ・ハンジェ)さんを進行役に、MFの長谷川アーリアジャスール選手と吉尾海夏選手が参加。かつて行われた試合映像を見ながらプレーについてテレビ番組さながらの臨場感で解説してくれました。

たとえば味方選手のバックパス、ロングパスをつないだ吉尾選手のセンタリング。それを受けた選手がシュートを決めて得点となったシーンでは、「まず、僕のセンタリングの二つ前のバックパスに注目してください」と吉尾選手。味方選手がバックパスをした場合、次のプレーは前線を狙ったロングパスとなる可能性が高いので、FWや攻撃的MFの選手は瞬時に走り出すというのがチームとしての決まり事なのだそうです。「チームとして普段からこの練習を繰り返し行っているので、このシーンでもロングパスを受けてセンタリングを上げることができました」と、吉尾選手はこのプレーを振り返ります。

またペナルティエリア付近で味方からのパスを受けてゴールを決めた長谷川選手の得点シーンでは、相手との駆け引きについての説明がありました。スピードのある長谷川選手ですが、一気にペナルティエリアに近づけば相手チームのDFに囲まれてしまうため、敢えてスピードを落とすことでゴール前にスペースを作り、そこにパスが出た瞬間に走り込んでゴールを決めたそうです。こうした相手の動きを考慮に入れた長谷川選手のプレーを見て、「ゴールには、偶然のゴールはないということですね」と李さん。また相手側GKのボールクリアに対し瞬時に反応してゴールに結びつけたシーンについて、長谷川選手は「子供の頃から、味方のシュートがクリアされたところを狙いにいくということを繰り返し練習してきました。身体が覚えているから瞬時に反応できたのだと思います」と、日頃の練習の大切さを語ってくれました。

プロサッカー選手の華麗なプレーも、普段の練習の積み重ねやチームメイトとの連携といった約束事の上に成り立っているということを参加した生徒たちも改めて実感したようです。


セミナーの後半では質疑応答が行われました。「試合中に心がけているコーチング(声がけ)は?」という質問に対して「チーム全員が守備のため自陣に戻るとき、僕は攻撃側の選手なので最後列からチーム全体を見ることができます。そうした場面でのコーチングは、自分の役目だと思っています」と長谷川選手。また「スタメンに選ばれないとき、どんな気持ちで試合を見ればいいか」という問いに対して李さんは「全員が試合に出たいと思っても、出られるのは11人だけ。そこに選ばれないことに不満を感じても、文句を言うべき相手は自分自身なんですね。結局、その部分では自分との戦いです」と、生徒たちにアドバイスを送ってくれました。そして「プロサッカー選手は自分だけの武器を持っていると思うのですが、その武器をどうやって見つけましたか?」という質問に対して、「僕は左利きなので、同じレフティーで上手な選手のプレー映像を繰り返し見ていました」と吉尾選手。一方の長谷川選手は「足下の技術の正確さが自分の武器で、子供の頃から意識して練習してきました。苦手なことを克服するのも大切だけど、それだけでは平均レベルの選手にしかなれない。プロサッカー選手として長く続けていくには『その選手にしかない』武器を持つことが大事だと思っています」とのことでした。この他にも「サッカーに限らず、夢を目指す過程で大切なこととは?」、「行き詰まってしまったとき、どうすれば一歩前へ進めるのか?」、「後輩を指導する際に厳しく怒ることができない」といった幅広い質問に、丁寧に答えてもらいました。ここで得たアドバイスは、サッカーに限らず普段の生活にも役立ちそうなことばかりでした。

こうして、約2時間にわたり行われたこの日のセミナーは終了。最後に生徒たちは、モニタに向かって大きな声で「ありがとうございました」と、感謝の言葉を述べました。そして吉尾選手からは「皆さんがサッカー選手になったときに一緒にプレーできるよう、僕も頑張るので皆さんも頑張ってください」と、そして長谷川選手からは「僕らが話したことを、少しでも皆さんのサッカーや人生に活かしてもらえたら嬉しいです。これからの大会も、力を合わせて頑張ってください」と、生徒たちにエールが送られました。

セミナーに参加した生徒に感想を聞きました。

「ミスをした際には切り替えが重要だという話が印象に残りました。また『格上の相手と対戦する際の考え方』について質問したのですが、全力を出し切った上でもし負けてしまったのなら、何が原因だったのかを考え、それを克服する練習をすればいい。そうしたら次に対戦する際は格上という意識は薄れているはずだというアドバイスをもらい、気持ちも大事なのだと感じました(高等部キャプテン)」。

「僕は『どんな時、サッカーを楽しいと感じますか?』という質問をしたのですが、『自分の想像を超えるプレーができたとき』と長谷川選手が話してくれて、自分も相手のフェイントに対応できたときの楽しさを思い出しました。また今後はクロスを上げる際も視野を広く持って、状況を見極めながら上げたいと思いました(中学部キャプテン)」。

プロサッカー選手から、サッカーに取り組む姿勢や考え方を学ぶことができた生徒たち。29日に行われた高校サッカー選手権東京予選でも、勝利を収めることができました。その同じ日、Jリーグでもリーグ戦が行われましたが、ゼルビアも勝利。長谷川選手もゴールを決めました。

今回の特別セミナーは限られた時間でしたが、実際の映像を見ながらプレーについて本人から話を聞けるという貴重な機会を得て、さらに生徒たちの日々の疑問をトップアスリートから課題解決のヒントをもらえ、サッカー部員たちは自分たちのチーム・自分自身を見直す良い機会になったことでしょう。今後もこのような教育連携を継続し、「本物に触れる」玉川の教育を推進していきます。

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