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コロナ禍を乗り越えて 伊豆大島で2日間にわたり5公演を披露。芸術学部「シバイノタカラバコ2021」「TAIKO&DANCE2021」

2021.12.01

芸術学部パフォーミング・アーツ学科/演劇・舞踊学科では、東京都大島町(伊豆大島)に於て、10月8日(金)・9日(土)に演劇公演「シバイノタカラバコ2021」と、和太鼓と創作民俗舞踊「TAIKO&DANCE2021」の公演を実施しました。
同学科では、2019年8月に沖縄巡回公演を実施して以降はコロナ禍の影響を受け、学外公演を中止せざるを得ない状況が続いていました。コロナ禍において、上演芸術はどう取り組むべきかという課題に対し、オンラインでの配信等新たな取り組みを進めていましたが、ようやく緊急事態宣言解除が発表され、観客を前に実に2年2ヶ月ぶりの発表となりました。
参加するのは「フィールドワークA/B/C」履修者で、2年生から4年生までスタッフ9名、出演者29名、教員5名の合計43名。「身近な場所を演劇の魔法で“シバイノタカラバコ”に変える」を今回のテーマとし、新型コロナウイルス感染防止対策を講じたうえで大島で観客を入れての発表に挑みました。

大島には約7,300人が暮らしています。この公演は玉川大学教育学部の卒業生である大島町議会議員の清水光一氏の「本物の舞台芸術を大島の人たちに届けたい」という強い想いが発端でした。さらに後援を引き受けてくれた大島町教育委員会、町の宿泊施設、役場、町民の方々、そして大島で活躍する玉川っ子たち皆さんの支えにより、玉川の芸術演劇教育の根幹である「飛ぶ教室」が実現に至り、本来の舞台芸術の姿である、観客を入れたライブパフォーマンスを無事、披露することができました。

会場の一つである、今年2月にオープンした大島町メモリアル公園は、平成25年の伊豆大島土砂災害で甚大な被害を受けた神達地区の復興を祈念して作られました。9日(土)に行われた野外ステージでの「TAIKO & DANCE2021」は、この場所の柿落とし公演となり、感慨深いものとなりました。開演に先立ち、出演者とスタッフ全員は慰霊碑を訪れ、地区の復興と鎮魂を願い、黙祷を捧げました。

8日(金)・9日(土)の2日間で4公演を行った「シバイノタカラバコ2021」では、初めてお芝居を観るという方も含めて老若男女全ての皆さまが楽しんでくれるよう、40分ほどの演目を7つ用意しそれらをオムニバス形式で上演。どの作品も好評を博し、特に生演奏の入ったミヒャエル・エンデ原作の『魔法のスープ』や、日本最古の和製ミュージカルとして有名な浅草オペラ『カフェーの夜』、宇宙的な広がりを持ったソーントン・ワイルダーの『寝台特急ハヤワサ号』などは反響が大きく、今後の上演題材のヒントにもなりました。

この演劇公演にあたり、準備期間も含め終演まで学生にとっても教員にとっても大きな試練の連続でした。
元々は夏季休暇中の9月16日(木)から20日(月)の予定だったものが、緊急事態宣言の延長に伴い半月以上の延期となり、秋学期授業が開始されたこの時期の開催は、日程も短縮され予定の変更を余儀なくされました。予定していた全員での下見も十分にできず、さらには大島出発日直前には学内の式典参加が決まっていたこともあり、授業、準備、稽古、本番等、、、誰もが過密なスケジュールに追われる日々を過ごしました。
また、地方公演では当然、学内と設備環境が異なり、また、緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだまだ新型コロナウイルス感染防止対策が必要な状況です。大島の皆さんに迷惑を掛けないようにと参加者は全員、稽古期間中と出発直前にPCR検査も実施し、出発前にはワクチン接種も済ませるなど、入念な対応を行いました。
新型コロナウイルス感染防止対策も含めてこれらの課題とタスクをこなす毎日は学生たちにとって解決する力を与える機会でもありました。

それらを乗り越えた大島での公演は、のべ450名以上が鑑賞しました。学生たちは目の前に広がる観客の輝く笑顔に、達成感を味わったことでしょう。大島町の方々から「ぜひ来年、再来年と継続してほしい」という声や、「地域の踊りや歌とコラボレーションしたい」「ワークショップを開いてほしい」といったありがたいリクエストがあったことは、先に上げた今回のテーマ「身近な場所を演劇の魔法で“シバイノタカラバコ”に変える」を達成したといえるでしょう。
さまざまな課題に追われながらも、舞台を成功させるために正面から向き合った学生たちの表情は、この短期間で著しく成長し、逞しく変わっていきました。先生方は学生たちの変化を見て、改めて上演芸術の教育的意義を実感したそうです。

「いかに舞台芸術の魅力を知って親しみを感じてもらい、未来の観客を育てることが出来るか」
それはコロナ禍においてより深刻なものとして舞台芸術界に突きつけられた課題でした。 これまで当たり前だった観客の前での発表が難しくなり、2年もの間、新たな上演芸術の様式を模索した彼らにとって、観客の皆さんと一緒に創り上げる従来の上演芸術のあり方は代えがたいものだと実感したことでしょう。さらに長い歴史の刻まれた玉川大学が大切にしてきた演劇・舞踊の学外公演の教育効果と意義を改めて感じたようです。コロナ禍を乗り越えた学外上演の第一弾として、今回の公演は玉川の上演芸術の歴史の1ページに刻まれることでしょう。

<撮影時のみマスクを外しています>

TOPIC 学長報告

10月19日(火)に、小原芳明学長・稲葉理事へ、大島公演の報告を行いました。

参加した教員(青山典靖、菊地芳子、多和田真太良)と学生(4年:石原輝、石川愛友、3年:中島一茶)の6名は、2年ぶりの学外公演の成功には、大島で活躍する玉川の卒業生の団結力に感化され、地元の人の協力がどれだけ心強くありがたかったなど、その温かさ、学内での公演での今後の課題など、学生たちが自分の言葉で想いを述べました。

お土産の「シバイノタカラバコから出てきたプロダクションユニフォーム」を学長に手渡すと早速着てくれました。学長は学生の報告に熱心に耳を傾けつつ、自身が参加されたかつてのギリシャ公演での思い出などを交え、大島での学生の労をねぎらってくださいました。

<撮影時のみマスクを外しています>

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