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国際学生科学技術フェア(ISEF)への出場や日本学生科学賞での入賞など、数多くのコンテストで評価された、サイエンスクラブの生徒たち。

2022.03.17

活発なクラブ活動が行われている玉川学園中学部・高等部。その一つであるサイエンスクラブでは、部員一人ひとりがテーマを設定して課題研究に取り組み、学外のコンクールや学会などで発表。数多くの賞も受賞しています。2021年度は国際学生科学技術フェアへの出場決定や日本学生科学賞での入賞を筆頭に、多くの成果を上げることができました。ここでは本年度の活躍が顕著だった生徒を中心にご紹介します。

国際学生科学技術フェアへの出場が決定した松井了子さん

11年生の松井了子さんは「熟成梅酒が琥珀色になる理由」をテーマに1年前から研究を続け、2021年10月には「第17回 高校化学グランドコンテスト」に出場。このコンテストは大阪市立大学、横浜市立大学、読売新聞社が主催する、高校生が科学的な創造力を養い、将来科学の分野で活躍できる人材を育成することを念頭に開催されている教育支援プログラムです。このコンテストで松井さんの研究はポスター賞を受賞。その後、12月に行われた「第19回 高校生・高専生科学技術チャレンジ(JSEC2021)」でも花王賞を受賞しました。このコンテストも朝日新聞社、テレビ朝日が主催する伝統ある大会であり、松井さんはここで上位入賞を果たしたことにより、2022年5月にアメリカで行われる予定の「国際学生科学技術フェア(ISEF)」への出場が決定。世界各国の同世代と科学技術の知識を競い合い、交流を深めます。

本年度の研究について「母が毎年梅酒を作るのですが、緑色の梅が琥珀色へと変わることに疑問を感じていました。文献と比較しながら実証を行ったり、先輩が行っている実験を参考に研究を進めるうちにポリフェノールが関係しているのではないかということに気付き、梅酒全体のメカニズムを解明することができました」と語る松井さん。梅酒の研究は目処が付いたので、今後は味噌や醤油、以前研究していた甘酒など、日本独自の食材の、解明されていない部分を分析したいそうです。現在は部長を務める松井さんですが、サイエンスクラブに入部したのは9年生になってから。「それまでは柔道やハンドベルなど、さまざまなことに興味がありました。このクラブは研究自体が面白いのですが、違う研究を行っている部員とのやり取りなども楽しいですね。そうしたこともあり、将来は研究職に就きたいと思っています」。

日本学生科学賞で科学技術振興機構賞を受賞した國吉仁志さん

9年生の國吉仁志さんは「協調作業ロボットのモデル開発」という研究に取り組み、読売新聞社主催の「第65回 日本学生科学賞」で科学技術振興機構賞を受賞。日本学生科学賞は未来の優秀な科学者育成のために創設され、理科教育では最も伝統がある賞です。日本学生科学賞への応募はサイエンスクラブの生徒にとって大きな目標であり、これまでも入選といった成果を上げてきました。國吉さんが受賞した科学技術振興機構賞は玉川学園としても2018年に環境大臣賞を受賞して以来の入賞です。國吉さん自身は昨年も「ドローンによる自動追尾の研究」で入選しており、2年連続の快挙となりました。

「ロボットのプログラミングに関する研究を行っています。人間から与えられたタスクをこなすだけのロボットではなく、AIの学習機能を活用することでこちらの要求以上の提案をしてくれるロボットを、プログラミングの面から開発することが目標です」という國吉さん。参加した学会をきっかけに、大学生を対象とした書籍でも学ぶようになり、英語の論文などを読み進めることで語学力も向上したそうです。國吉さんはこの日本学生科学賞だけでなく、「World Robot Summit」にもサイエンスクラブの一員として参加し、1位(経済産業大臣賞)を受賞。今後は現在の研究をさらに深めると同時に、ロボットがもっと人との協調関係を築くことのできるようなプログラミングに取り組みたいと語ってくれました。

高校化学グランドコンテストでポスター賞を受賞した長谷川楓果さん

松井さん同様「第17回 高校化学グランドコンテスト」に「なぜ野菜切断面の変色の色は野菜の種類によって異なるのか?」という研究テーマでエントリーし、同じくポスター賞に輝いた11年生の長谷川楓果さん。この研究は東京家政大学主催で9月に行われた「生活をテーマとする研究・作品コンクール」でも優秀賞を受賞。食べることが大好きだという長谷川さん。サイエンスクラブでは9年生の頃に蓮根の変色をテーマに研究を始め、それが今回の研究成果につながっているそうです。「食品に関して調べることが好きなので、そうしたことができる大学や研究室に進みたいです」と語ってくれました。

全国高等学校総合文化祭の東京代表に選ばれた平野悠さん、松井了子さん、長谷川楓果さん

<撮影時のみマスクを外しています>

長谷川さんや松井さんの研究のきっかけであり、多くの相談に乗ってきたのが12年生の平野悠さんです。平野さんは食物の変色原因の一つであるポリフェノールの研究を続けており、2018年には日本学生科学賞で環境大臣賞も受賞していますが、この1年間は受験勉強のため活動時間の調整が難しかったそうです。それでも長谷川さん、松井さんと3人での共同研究を「第10回 東京都高等学校理科研究発表会」でポスター発表。その内容が評価され、優秀賞を受賞し、2022年8月に開催される予定の「第46回 全国高等学校総合文化祭」の東京都代表にも選ばれました。平野さんは発表の時期には卒業しているので、二人をサポートしていきたいとのことでした。

World Robot Summitで経済産業大臣賞を受賞した國吉仁志さん、清水陵佑さん

左側が清水さん (写真:鰐部春雄・全人869号掲載)

9年生の國吉仁志さんと10年生の清水陵佑さんは、サイエンスクラブOBの野田基さんとチームを組み、経済産業省が主催する「World Robot Summit」の競技会に参加。ジュニアカテゴリー ホームロボットチャレンジ ミニサイズクラスで1位(経済産業大臣賞)を受賞しました。「家庭でロボットにしてもらいたいこと」という課題に、高齢者の介助ロボットをドローンと組み合わせて提案しました。清水さんは9年生までIBクラスで学んでおり、プログラミングの知識と身に付けた語学力を活かして、英語のプレゼンテーションも担当しました。

このように個人もしくはグループで、本年度も多くの研究に取り組んできたサイエンスクラブの生徒たち。個人の研究であっても先輩の研究を受け継ぎ発展させたり、他の生徒のアドバイスを受けてより深く掘り下げるといったクラブ活動ならではのコミュニケーションが、一人ひとりの研究活動をより良いものにしている点が特長です。科学の知識だけでなく、活動を通してさまざまなチカラが身に付くサイエンスクラブ。今後の研究活動がとても楽しみです。

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