中学部と貝印による特別授業〝カミソリから学ぼう~プラスチック資源循環法と紙カミソリ®から考えるものづくり〟開催

2022.04.19

2022年3月11日、玉川学園中学部では、創業114年を迎えるグローバル刃物メーカー・貝印株式会社との特別授業が開催されました。この特別授業のテーマは〝カミソリから学ぼう~プラスチック資源循環法と紙カミソリから考えるものづくり〟。中学部技術・家庭科 技術分野担当の山田真也教諭が、貝印が開発した新商品(特別授業時は発売前)「紙カミソリ®※1」にインスパイアされ、中学部の生徒が持続可能な社会や生命の大切さなどを考える機会にしようと企画したものです。山田教諭が貝印に特別授業への協力を依頼したところ、同社マーケティング本部広報宣伝部の全面的なご協力のもとに実施されることになりました。

  • ※1:
    金属だけでできたヘッドと紙ハンドルからなるカミソリ(特許第6894054号)
貝印株式会社 紙カミソリ®

特別授業に参加したのは7年生(現8年生)4クラス。まず事前に4~6名の班が新商品の紙カミソリ®をどのような人に、どのようなシチュエーションで使ってもらえるか、またSDGsにどのような貢献をするかを考え、新商品の紙カミソリ®のキャッチコピーと広める方法をプレゼンテーションとしてまとめました。
当日の朝、各班がそれぞれのクラスで発表し、優れた発表を行った各クラス2班・計8班が代表として講堂に集められ、審査委員としてお招きした貝印広報宣伝部の方々の前であらためてプレゼンテーションを行いました。

各組の発表の概要は以下の通りです(発表順)。

若狭組1班「貝印 世界のお手本 紙カミソリ」

貝印と日本の技術の高さのアピールに加え、商品名を織り込んで環境の良いものを使おうというメッセージも込めました。生徒たちは家族や中学部の先生方を対象にアンケートを取った結果、「ホテルでのアメニティとして使う」「公共の男性トイレなどで無人販売する」という使われ方をするのがふさわしいと結論。環境へのインパクトが少ない紙製品であることでSDGsを知ってもらう機会にもしたいとアピールしました。

若狭組3班「今の幸せ、未来の幸せ あなたならどっちを取る?」

環境問題に関心を持つ層に使ってもらい、やがて環境問題に興味がない人やどう取り組んだらいいのかかわらない人にも広げていきたいという思いを込めました。素材としての紙とプラスチックのメリット、デメリットを踏まえ、プラスチックゴミの問題が深刻化する現在、紙製品使う意義を世界のプラスチック生産量のデータを示しながら訴えました。

上総組1班「世界初の紙カミソリ®

主にひげ剃りの使用が見込まれる男性480人へのアンケートを実施し、旅行者、出張者にとって魅力的な商品であることを導き出しました。特に刃の長さが4cm以下で航空機への持ち込みが可能なことと、トラス構造による耐久性、紙素材の耐水性を大きなメリットとして上げました。そして広めるためには「清潔に使える」「耐久性がある」「持ち運びしやすい」「環境に良い」の4点をアピールすることを提言しました。

上総組6班「世界初!! 身近なところから地球を守ろう!!!」

紙カミソリ®には「衛生的」や「持ち運びに便利」といった使い勝手の利点に加え、「二酸化炭素の排出を抑える」「環境問題について伝えられる」という持続可能な社会をつくるメリットがあることに着目。商品の運送時に発生する二酸化炭素の抑制やプラスチックごみ削減につながることを根拠となるデータを示して論証し、「紙カミソリ®は地球環境を守るきっかけとなる!」とアピールしました。

長門組2班「今の地球を救うのは紙」

紙カミソリ®によるSDGs、地球温暖化への貢献を中心に据えた商品の展開をプレゼンテーションしました。商品の主要ターゲットを外国人旅行者と若い世代に定め、販売場所として、これらのターゲットが集まりやすい空港やコンビニなどを提案しました。さらにSNSを駆使し、有名人を起用した広告と限定商品とするブランド戦略などで、多くの人に関心を持ってもらい、買ってもらう=SDGsへの貢献をアピールしました。

長門組3班「みんなに広げよう 紙カミソリ®!!」

プラスチックの消費量が増え、プラスチックごみ問題が深刻化する中、従来のプラスチック製が紙カミソリに置き換わることで「脱プラへの第一歩」となる商品価値をプレゼンテーション。「環境にやさしい」「コンパクトで荷物にならない」「⽔に濡れても⼤丈夫」という3つのアピールポイントから、美容やおしゃれ、エチケット、さらに災害時などのニーズに広く訴求していくことを提言しました。

信濃組3班「環境問題はあなたのすぐうしr」

最後の「r」は誤字ではなく、身近に迫る環境問題に危機感を込めて表現しました。この班がターゲットとしたのはZ世代(若い世代)。社会調査などのデータによると環境問題への危機感が薄く、班のメンバーたちも発表にあたって調べていくうちに「‟相当やばい状況“であることを実感しました」と話し、「紙カミソリ®」という商品を通して、若い世代が自分たちの問題として環境問題を考えることの大切さを広めたいと締めくくりました。

信濃組4班「あなたの暮らしに紙カミソリ®

紙カミソリ®の使用を通して安全で健康的な毎日を過ごしてほしいという思いを込めました。使用場所としては家や職場、仕事先、ホテル、美容院のほかオンライン勤務など幅広い用途を想定しました。ホテルなどのアメニティでカミソリを持ち帰る人が多いことにも着目。日本が「環境への取り組みが進んでいるイメージのある国」第1位である調査結果やコロナ禍による環境問題への意識の高まりのアンケート結果を示しながら、紙カミソリがこうした社会動向に十分アピールする商品であることをプレゼンテーションしました。

プレゼン前に「今日は輝いてください!」と激励する山田真也教諭
終了後に「素晴らしい発表」と⾔葉をかけた中西部長。これからも五感を使って学習してほしいと期待を込める

すべての発表終了後は、貝印の広報宣伝部次長・齊藤淳一氏より、生徒たちの発表に対する全体講評がありました。「私たちが2年の開発期間を掛けた紙カミソリ®について多くのご提案をいただいた素晴らしい機会になり、先生と生徒の方々に深く感謝します。皆さんがとても楽しそうに、笑顔でプレゼンされている姿が印象的でした。すべての発表が良かったので採点に悩みますが、どれだけ『自分ごと』として考えていただいたかが採点のポイントになります」と話すと、一緒に来場されていた広報部社員3名の方々とともに採点に入りました。その結果、僅差で優勝したのは「上総組6班」。齊藤氏の言葉通り、「身近なところ」という視点で自分ごととして商品や環境問題を取り上げた点が高く評価されたようでした。その後、広報部社員の方から「カミソリ 正しい剃り方について」のレクチャーがあり、生徒代表が貝印社員の方々への感謝と今後の環境問題への取り組みへの決意を述べて閉会しました。

上総組6班の6名の生徒たちは優勝賞品として発売前の「紙カミソリ®」をいただき、齊藤氏ら広報部員の方々と記念撮影を行いました。

上総組6班の生徒たちの喜びの声

「『自分ごと』として考えたことが評価されるなんて、うれしすぎる結果です!」
「私はプレゼンでミスしてしまったので、優勝と聞いたときは夢かと思いました」
「優勝ももちろん、発売前の商品について考えるという滅多にない経験ができたことが良かった」
「ただただ、うれしいです。前日の夜遅くまでコツコツと準備を頑張って良かった!」
「本当に良かった!プレゼンではできるだけ早口にならないように話すことを心がけました」
「まさか優勝するとは!商品の紙カミソリ®はおじいちゃんにプレゼントします!」