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学園の歴史を物語る旧本部棟が解体されることになり、工事の無事を願う安全祈願祭が執り行われました。

2022.04.11

学園内で最も古い建物の一つである旧本部棟。長年にわたりさまざまな形で利用されてきましたが、解体することが決定し、その工事の無事を願う安全祈願祭が3月18日(金)に執り行われました。
旧本部棟が建てられたのは1943(昭和18)年のこと。学園内に残る建造物としては、1929(昭和4)年に完成した礼拝堂の次に古い建物となります。かつては学長室などがあり学校運営の中心的な役割を担っていましたが、学園の規模が大きくなるにつれ、そうした機能は他の建物へと移転。その後はキャンパス・セキュリティ・センターや管財部門、芸術学部の工芸室などとしても利用されてきました。入口側から見ると扇のように広がった形状をしていますが、中央部分以外は増築されたもので、歴史を感じさせる造りになっています。今となってはほとんどの生徒や学生は立ち寄る機会のない建物でしたが、松陰橋から見える木造の建物を覚えている人も多いのではないでしょうか。

<アメリカ教育使節団来訪時撮影>

戦後、アメリカから教育使節団が訪れて日本国内のいくつかの私学を見て回る機会がありましたが、その一つが玉川学園でした。来校した際の記念写真は、この旧本部棟の前で撮影されており、我が国の学校教育の歴史に残る建物ともいえます。そうした学園の黎明期を知る建造物でもあり維持保存の可能性を構造の専門家とともに調査及び構造検討を重ねてきましたが、耐震化工事が難しいため、今回解体する運びとなりました。


前日までの暖かな気候から一転、真冬に戻ったような寒さの中、関係者が集まってきます。安全祈願祭は建物内に設置された会場で、熊野神社の池田宮司によって厳かに執り行われました。その後、小原芳明理事長による挨拶がありました。「今日は雨が降りそうな空模様で、この歴史ある建物が解体されるのを惜しむかのような雰囲気でもあります。この建物は長い間、おやじさんの執務の場所でした。学園が開かれて間もなくに建てられた建物ですから上質な建材が使われているわけでもありませんし、現代の耐震基準では維持が難しく、解体することになりました。コンクリートで作られた頑丈な建物ではないので取り壊しは簡単ですが、逆に構造自体が弱い分、どうぞ細心の注意を払って解体工事を進めていただければと思います」。
降り始めた雨の中、池田宮司の先導で清祓いが行われ、建物の四隅に米、塩、お神酒が撒かれ、安全祈願祭は滞りなく終了しました。

この日集まった関係者が懐かしそうにこの建物を眺めるのは、旧本部棟が変わらぬ形でずっとこの場所にあり続けたからではないでしょうか。今後の土地活用については未定ですが、学園創立100周年に向けて、キャンパスの風景も徐々に新しいものへと姿を変えていきます。

<アメリカ教育使節団来訪時と同位置で撮影>

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