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FC町田ゼルビアと経営学部が教育連携。学生たちがホームゲームでの集客案のプレゼンテーションを行いました。

2022.05.23

FC町田ゼルビアとトップパートナー契約を締結し、幼稚部から大学まで、さまざまな年代で教育連携を行っている玉川学園。玉川大学経営学部では、長谷川英伸准教授の「経営塾」という授業で毎年教育連携を展開しています。その内容は、株式会社ゼルビア代表取締役社長の大友健寿氏をお招きしてスポーツビジネスの現状について語っていただき、大友氏から与えられた課題に対して学生がビジネスプランをプレゼンテーションするというもの。本年度は4月12日(火)に大友氏による講演が行われ、1週間後の19日(火)に学生たちによるプレゼンテーションが行われました。

<4月12日公演の様子>

大友氏はまず12日の講演で、スポーツビジネスの特徴を紹介。勝敗や天候といった不確定要素も考慮しながら、企業として利益を出していく難しさについて説明しました。その一方で地域に根ざしたクラブチームとして社会貢献を行い、町田市に愛されるチームを目指す部分でのやりがいにも言及。また試合時の入場料以外にもさまざまな収益の柱があること、余暇の楽しみ方という観点では近隣のJリーグチーム以外にも多くのライバル(他のプロスポーツチーム、テーマパーク、ショッピングモールなど)が東京・神奈川エリアには存在していることなど、企業のトップだからこそ語れる実情を、分かりやすく学生たちに語っていきました。その上で「強力なライバルの多い東京都でゼルビアのホームゲームを選んでもらうために、あなたが社長ならどんなことをしますか?」と、試合の来場者数アップのための施策を出題。学生たちは5、6名のチームに分かれて企画を立案し、1週間後の19日に再度大友氏をお招きしてプレゼンテーションを行いました。ここではそれぞれのチームのプレゼンテーション内容を紹介します。

Aチーム:「ホームゲームの戦略」

SWOT分析を用いてゼルビアの強み、弱みを分析したAチーム。その上で、ゼルビアのトップパートナーであるサイバーエージェントとのコラボレーションを提案しました。マッチングアプリを活用してスタジアムへの来場を促したり、人気ゲームとのコラボレーションによるグッズや飲食メニューの開発・販売を行うといった施策で、課題となっている若年層にアピールを図っていくという内容でした。

Bチーム:「全国ゼルビスタ化作戦」

スタジアムにさまざまなアトラクションを設置することで集客を促すと同時に、席のアップグレードができる「運試しチケット」など多彩なチケット販売方法を提案。さらにその広告手法の提案や、パートナー企業である南町田グランベリーパークへの出店など、幅広い側面から考えた点がポイント。町田エリアでのゼルビアのファン作りだけでなく、全国にゼルビアを知ってもらうための施策を目指しました。

Cチーム:「新シートの設置とSNSの運用案」

スタジアムが位置する町田・八王子エリアには大学が多数あり、ゼルビアがアプローチを図りたい若年層が多い点に着目。試合観戦で男女が出会えるマッチングシートの導入を提案しました。同時にパートナー企業である小田急電鉄とのコラボレーションで旅行プランの割引や、試合結果に応じて限定サービスや割引率の変動といったプランも提案。またこれらの新規事業で想定されるリスクを回避するプランまで考え、提案に組み入れていました。

Dチーム:「町田ゼルビア×飲食店」

コロナ禍で売り上げの減少した町田市の飲食店を応援し、相乗効果としてスタジアムへの集客を促すプランを提案。飲食店にゼルビーランド(スタジアム外のフリースペース)に出店してもらうと同時に、試合のチケットに食事券を付与することで、ゼルビアと飲食店双方にメリットのある内容に。また店舗への協力金や設備費用、人件費といった具体的なコストについても算出し、具体性を持たせていました。

Eチーム:「町田ゼルビアを救いたい! 〜競合なきフィールド〜」

スマートフォンの中で娯楽が完結する時代に、スタジアムまで足を運んでもらうための施策として提案。SNSやアプリを活用し、若い世代、特に女性層へのアプローチを図るプランを考えました。学生割引などのお得な情報をSNSで発信したり、アプリやゲームとのコラボレーションを提案。途中でスライドが映らないトラブルもありましたがスピーチで補うなど、プレゼンテーションの準備をしっかり行っていた点が印象的でした。

Fチーム:「ゼルビア×スマホゲーム」

若年層で、サッカーに興味がない人にもゼルビアを知ってもらうため、サイバーエージェントの人気ゲームとのコラボレーションを提案。試合チケットにアイテムコードを印字し、チケット購入者限定アイテムを配信したり、ゲームとコラボレーションしたルールブックを配布するといった、さまざまな企画を考えました。単なるコラボレーションで終わらず、それをスタジアムへの集客へとつなげる施策が行われていました。

Gチーム:「東京都で町田ゼルビアのホームゲームを選んでもらうために」

サイバーエージェントが持つリソースを活用し、さまざまなゲームとのコラボレーション実施。スタジアムへ来場することで入手できる限定キャラクターを獲得できるようにしたり、インターネットTVで試合のハイライトを配信するといった提案を行いました。また具体的なコストを計算した上で、スタジアムと町田駅の間の無料直通バスを走らせることも提案に組み込みました。


学生のプレゼンテーションを聞き終えた大友氏からは、「どのチームも細かく調べており、それぞれにグッド・ポイントがありました。私が学生だった頃は、こんな提案はとてもできなかったと思います」と評価。一方の長谷川先生からは「もう少しデータによる裏付けがあるといいと思います。すぐにGOサインを出すことが可能な企業のトップに提案するのであれば、エビデンスを明確にすることが重要。また訴求層や企画を広げるよりも、一つに絞ったほうがいい提案になりますね」といった指摘がありました。
7チームの中から、大友氏が「インパクト、コスト感、他者を巻き込めているか、プレゼンテーション力」といった観点で最優秀チームを決めることとなり、Bチームが選ばれました。内容はもちろん、「全国ゼルビスタ化」といったキャッチーな言葉の選び方などを高く評価した大友氏。また「運試しチケットは非常に興味深く、実際に取り入れたい、社内の会議でも取り上げたい」といったお話もありました。最優秀チームに選ばれたBチームには、ゼルビアのグッズとホームゲームのチケットが大友氏より贈られました。

ビジネスの最前線で活躍する企業の方をお招きし、さまざまなお話を伺う「経営塾」。今回は大友氏から、なかなか知ることのできないプロスポーツビジネスの難しさややりがいを学ぶことができました。

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