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メディア・デザイン学科で伊藤園との連携教育が3年ぶりに復活!社員の方々の思いを受けて「若い世代にお茶を広め、販売する方法」を考えます

2022.05.30

芸術学部メディア・デザイン学科3年生を対象に開講している「芸術表現学(担当:橋本順一教授)」では、「お~い お茶」ブランドで広く親しまれている株式会社伊藤園との産学連携教育に取り組んできました。この連携教育では伊藤園からの課題を受けて、学生たちが「デザイン思考」を取り入れながらその解決方法をグループでまとめ、最後に伊藤園社員の方に向けたプレゼンテーションを行うというものです。

コロナ禍の2020~2021年度は残念ながらこの連携教育は中止となってしまいましたが、2022年度は3年ぶりに再開。2022年4月25日、第3回目となるこの授業では、伊藤園の社員の方々を招いたオリエンテーションが行われました。
当日、お越しいただいたのは伊藤園町田支店長の海野卓也さん、販売促進部の足立好生さん、東京事務センターの増田訓子さんの3名。このうち増田さんは玉川大学文学部教育学科(当時)の卒業生で、伊藤園のティーテイスター社内検定2級取得者です。

オリエンテーションはまず海野支店長の「お茶はイノベーションを生み出すドリンク」というテーマでのお話でスタートしました。お茶に関するさまざまな話題とともに歴史の中でお茶が果たしてきた役割を解説。戦国時代の千利休や明治の岡倉天心など、各時代のアートやクリエイティブ活動・文化とお茶との密接な関係をわかりやすくお話いただきました。
連携教育の課題は「どのような活動・サービスを展開すれば若い世代にもっとお茶をアピールできるか、若い皆さんならではの新鮮なアイデアを提案してほしい」。過去にはいくつかのアイデアが社内での会議などで検討され、製品やサービス開発に活かされたこともあったそうです。

お茶どころであり、伊藤園創業の地でもある静岡県出身の海野支店長は、お話の節々から深い〝お茶愛〟と〝伊藤園愛〟が感じられ、最後に「ぜひいろいろなメーカーのお茶を飲み比べてみてください。きっと『伊藤園がいちばんおいしい』と思われるはずです!」と学生たちに語りかけたのが印象的でした。

次に登壇されたのは販売促進部の足立さん。「お茶の販売方法を考える」というテーマでお茶製品の消費動向、マーケットの変化について解説していただきました。近年のペットボトル製品の増加、2020年以降はコロナ禍によって健康志向、あるいは「ちょっと贅沢」志向の消費者によってお茶の売り上げが少し増えたこと、そしてお茶専門店からスーパー・コンビニやネット販売への移行などについて統計・データに即して現状をくわしくお話しいただきました。

さらに伊藤園が取り組んでいる「茶産地育成事業」についても解説。新製品開発拠点となる契約栽培農家との連携のほか、現在全国8カ所で耕作放棄地などを活用したお茶の「新産地事業」に取り組み、リーディングカンパニーとして持続可能な農業への取り組みを進めているそうです。
また販売方法に関して、玉川学園がスポンサーであるサッカーJ2「町田ゼルビア」やプロ野球セントラルリーグ「横浜ベイスターズ」とのタイアップや自治体のスポーツイベントへの協賛、教育機関や企業でのセミナーや多くの人が集まるイベント開催、さらに「今後はもっと力を入れていきたい」というSNSの活用についての取り組みなどを紹介。学生たちがこれから授業の課題に取り組むにあたってヒントや情報が多く含まれたお話となりました。

最後に1966年創業の伊藤園の歩みについてもご教示いただきました。パック茶(60年代)、缶入り煎茶(1985年)、ペットボトル茶(1990年)などすべて伊藤園がパイオニアだったことに触れながら、製品開発コンセプトが「自然・健康・安全・良いデザイン・おいしい」であることを紹介され、「このコンセプトに即して、もっと若年層にお茶を広め、販売する方法を皆さんと一緒に考えていきたい」と学生に呼びかけました。

メディア・デザイン学科でブランディングについて学んでいるという平野響子さんは「直接、伊藤園の方に製品や販売についてお話をうかがえたことでイマジネーションが広がった」と授業の感想を述べ、「(伊藤園が)今後力を入れていきたいというSNSやサブスクでの販促やブランド戦略を考えたい」と目を輝かせていました。

最後に登壇したのは、緑茶、抹茶、ウーロン、紅茶のエキスパートの証であるティーテイスター2級で玉川大学OGの増田さんです。お茶の種類や含まれている健康成分、保存法などのレクチャーの後、いよいよ持参された伊藤園自慢の茶葉を使って学生の代表6名とともに以下の「おいしいお茶の入れ方」を実演していただきました。

伊藤園おすすめ おいしいお茶の入れ方(2名分)

① お湯で湯飲みを温める

② 急須に茶葉を入れ(ティースプーン2杯・約2g)、温度が下がった湯飲みのお湯を注ぐ

③ 40~50秒待つ

④ 急須内の茶葉が動くように手首を返し、量と味が均一になるよう、二つの湯飲みに交互に注ぎ分ける。「うま味が凝縮している」(増田さん)最後の一滴までしっかりと入れる。

教室にいるほとんどの学生は急須でお茶を入れた経験がなく、実演する6名の所作をじっくりと観察し、頭に刻みつけているようでした。壇上の学生たちは自分で入れたお茶を試飲し、「いつも飲むお茶と全然違うおいしさ」「お茶ってこんなに甘いものだったの?」と驚きの声を漏らしていました。

「母校の教育に参加することに使命感を感じ、最初は緊張したけれど、楽しかったです」と久しぶりに玉川大学のキャンパスに足を踏み入れたという増田さん。「キャンパス内は校舎が新しくなって、私の在学時とは変わっていましたが、学生の柔らかな雰囲気は変わっていなく安心しました」と笑顔で話していただきました。

今後、学生たちは自分たちと同じ世代に向けたお茶製品のブランディングや販売戦略についてグループワークで企画を立案。7月には再び伊藤園の方々を招いてプレゼンテーションを行う予定です。

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