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FC町田ゼルビアのマーケティング担当者が特別講義に。観光学部の学生が、プロスポーツの地域貢献について学びました。

2022.08.23
観光学部 鎌田伸尚教授

JリーグのFC町田ゼルビア(以下ゼルビア)とトップパートナー契約を締結している玉川学園では、各ディビジョンや大学でさまざまな教育連携を行っています。7月4日(月)には観光学部の鎌田伸尚教授が指導する「観光経済学」で、特別講義を実施。株式会社ゼルビアのマーケティング部長・田口智基氏をお招きし、プロサッカークラブによるスポーツビジネスがどのようなものなのか、また地域振興活動などについて語っていただきました。
「観光経済学」では観光企業の経済活動などについて学んでいますが、観光にかかわらずさまざまな分野で活躍している方をお招きしての特別講義も実施しています。ゼルビアの田口氏による特別講義は昨年度はオンラインで行われましたが、本年度は対面での講義が実現しました。

株式会社ゼルビア 田口智基氏

田口氏は大学を卒業後にPR会社に就職。そして2009年に株式会社ゼルビアに転職しました。そうした自身のプロフィールからゼルビア発足の経緯、そしてJリーグという地域に根ざしたプロサッカークラブにおける理念など、普段とは異なる観点でゼルビアについて紹介した田口氏。
「ゼルビアにおける近年のビジネス上のトピックといえば、やはり2018年のサイバーエージェントグループへの参加です。これにより、さまざまなビジネスが一気に加速しました。たとえば広告収入も一気に1.5倍に増加しています」と、その効果について説明してくれました。その上で、「プロスポーツビジネスは多様な事業の集合体」と語る田口氏。多くの人が収入のメインと考えるスポンサー収入(協賛ビジネス)は幾つかある柱の一つに過ぎず、それ以外にも試合のチケット販売から得られる入場料収入(エンタメビジネス)やテレビなどの放映権(権利ビジネス)などが収益の柱に。「これらの柱がどれだけ伸びるのかが重要であり、どこか一つに依存しないことも重要です」と田口氏。また最近はスタジアムを試合以外の日に活用するなど、新たな収益の仕組みの確立にも取り組んでいるそうです。

こうしたビジネスにおける取り組みと同時に積極的に行っているのが、地域貢献です。「Jリーグの各クラブにはホームタウン活動が義務づけられています。分かりやすくいえば、地域が抱えている課題に対して、サッカークラブだからこそ持つリソースで対応していく、ということです」。地域の健康増進のためにウォーキング活動を行い、そのためのアプリを導入したり、小学生を対象にネットに教材『ゼル塾』をアップするなど、さまざまな活動を行っています。
「こうした社会貢献活動はJリーグだけでなく、海外のサッカーチームも盛んに行っています」と、ヨーロッパの人気サッカーチームの事例も紹介。中にはチームカラーがグリーンということから環境問題に積極的に取り組み、試合などでの移動をEV(電気自動車)で行う、といったチームもあるそうです。

ゼルビアのビジネス展開から社会貢献、さらに海外のサッカーチームの事例まで、幅広く語ってくれた田口氏。今回は対面ということもあり、学生からのさまざまな質問にも答えてくれました。
「子供をターゲットにしたさまざまなイベントや活動を行ったことで、実際に小学生のファンはどれくらい増えましたか?」という問いに対しては、「順調に推移していっていると思います。ただ近年は新型コロナウイルスの影響もあり、難しい部分もありますね」との回答が。また「小学生だけでなく中学生にも積極的にアプローチを図っていったほうがいいのでは?」という質問に対しては、「皆さんの中学生の頃を思い出してみてください。家族との外出が減り、一人で家で過ごしたり、友達と外出することが小学校時代よりも多くなったはずです。TVゲームやテーマパークなど、さまざまなエンターテイメントがある中で、限られた可処分時間を奪いにいくのは容易ではありません。だから小学生の時期にしっかりとアプローチを図り、大人になったら戻ってきてもらうことが有効だと考えています」とのことでした。この他にも学生たちの幅広い疑問や質問に、丁寧に答えていただきました。

こうして田口氏による特別講義は終了しました。鎌田教授の「観光経済学」ではプロスポーツや観光ブランドを題材に、観光に対する経済的なアプローチについて考えていきます。今回のゼルビアの事例にも地域貢献や活性化といった内容が含まれており、多くのヒントがあったのではないでしょうか。

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