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各大学間をオンラインでつないで「4大学対抗プレゼンバトル2022」開催

2022.08.16

さる7月16日(土)、玉川大学工学部マネジメントサイエンス学科の主催で「4大学対抗プレゼンバトル2022」が開催されました。同学科3年次必修の講義「ビジネスコンテンツ」(山田義照教授らが担当)の一環である「大学連携講義」として毎年実施されているこの取り組みは、ビジネスプレゼンに力を入れている他大学とともに時代の即したビジネス課題の解決策を各大学チームで練り上げ、プレゼンで競います。

2019年度までは、例年出場大学各代表チームが玉川大学に集結して開催していましたが、2020年度以降は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点からオンライン化。今年度も、玉川大学の会場と各大学をオンラインでつないだハイフレックス形式で開催。玉川大学の教員と学生は大学教育棟 2014 5階510教室に集まり、会場の大型スクリーンにはオンラインでつながった専修大学、麗澤大学、東京国際大学の各代表チームが映し出されました。なお、司会進行は、プレゼンバトルの発起人の一人であるマネジメントサイエンス学科 力丸萠樹非常勤講師が担当しました。

今年のテーマは「コロナ禍の『個店』を支えるビジネスプランを構築しよう」です。コロナ禍で苦境に陥っている私たちの身近にある個業の生き残りを図る提案や、まちなかの「空き店舗」の利活用について、学生たちが先行きの不透明さと不安を打ち破るような、柔軟かつ実際的なプランを練り上げてくることを期待して設定された課題です。

笠間建 氏
せがわきり 氏

昨年に引き続き、地域の活性化に取り組まれている株式会社コミューナのマーケティングディレクターを務める笠間建 氏がアドバイザーとして参加したほか、ゲスト審査員として笠間氏とミシュラン・ビブグルマン選出の人気店「池尻餃子.」のオーナー・作家のせがわきり氏、さらにかつてプレゼンバトルに参加したことがある企業人の方々などもオンラインで参加しました。
昨年同様、各大学の学生たちはオンラインとは思えぬ熱のこもったプレゼンを展開。ゲスト審査員を務めた企業人の方々からプレゼン内容への質問も活発に出され、学生たちが考えたビジネスプランへの関心の高さがうかがえました。

以下、各大学代表チームのプレゼン内容をダイジェストで紹介いたします。(発表順))

玉川大学 マネジメントサイエンス学科3年生 講義選抜チーム

Walk through ~お店に行かずに通学路で受け取り~

玉川大学の学生は玉川学園駅を降りたら、ほとんど大学の敷地だけを通って通学している。そのため通学時に地域の店舗との関わりが薄い。実際、玉川学園地域の商店に聞いてみると、コロナ禍以降は特に「玉川の学生とのつながりがなくて寂しい」という声が聞かれた。一方で玉川大学生にリサーチすると昼食のマンネリ化や何かを食べたい時に学生食堂や購買部が閉まっている……という悩みを抱えていた。
学生たちのフィールド調査の結果、コロナ禍を生き残った飲食店の共通点は「常連客」にあることがわかった。そこで「学生を地域の飲食店の常連に!」&「玉川の学生のランチ問題解決!」という2つの課題を一挙に解決するプランとして前日にWeb予約したテイクアウトのランチメニューを通学路に近い空きスペースを利用した店舗で受け取る「Walk through」を提案。SNSなどを利用して全学生への認知度を高め、お店の人々と学生の交流の機会を増やしていく。また空きスペース利用することで学生の行動域を商店街がある側に変え、広げていくことを目指し、「地域と玉川の学生の繋がり」という最終目標の実現を図っていく。

東京国際大学 奥倫陽 ゼミ選抜チーム

空き店舗を利用したGGP(ガラガラポン)大作戦

メンバーは大学キャンパスに近い川越市の角栄商店街に対するフィールドワークを実施。その結果、空き店舗が目立ち、人通りが少なく、住民は高齢者が多いことがわかった。まず商店街理事長に空き店舗を利用した駄菓子屋や2D キャラクターを提案するが却下されるが、商店街の課題として「①多種多様な〝考え〟が存在」「②シャッターが開かない理由は複雑」「③結局『誰がやるか』が問題」という3つの知見を得ることができた。
そこを出発点として考案したのが高齢者でも実現可能なビジネスモデル「GGP(ガラガラポン)大作戦」。店舗兼住居となっている空き店舗を活用し、いわゆるガチャをたくさん設置する。景品は通常のカプセルトイだけではなく、カプセル内の引換券で地元産の野菜、お弁当、ドリンク類、さらにクルマやレンタルハウス、資格講座などのサービスまで、これまでのガチャとは一線を画した「景品」が当たる。景品補充だけのガチャは地域の高齢化に対応した効率的な経営が可能で、近郊農家と連携した地産地消、食品ロスの解消なども狙っている。また、宅配ボックスとの併用、メーカーの新製品・サービスのテストマーケティングの場として機能させることも想定している。

専修大学 岡田穣 ゼミ選抜チーム

「ふぁみりーぼちてぃぶ」 ~石で意志をつなぐ~

コロナ禍の中、会食や帰省の制限・自粛により、法事などで親族が集まる機会が大幅に減ってしまった。Withコロナのビジネスが模索される今、生きている人と死者とのつながり=墓参りを一つのビジネスチャンスの機会と捉え、大幅な縮小傾向にあった石材業界をターゲットに、ファミリー(家族)・墓地・ポジティブの3つの言葉をリンクさせたプランが「ふぁみりーぼちてぃぶ」だ。
東京から約1時間、静岡県静岡市にある鈴木石材店の新事業として企画。墓参りを明るいイメージに転換し、リモートなどの手段も活用しつつイベント化することで親族の心をつなぐ同店の新しいサービスとしてアピールする。具体的には「墓石で作っちゃお(溶岩プレート・食器の制作)」、「食べ飲み供養」、野外イベント化した「石でつなぐ墓参り」、遠隔地の親族を結ぶリモートイベント「意思でつなぐ墓参り」といったサービスメニューを用意。実施した場合の価格設定、経費や利益予想も行い、プレゼンでは静岡県全体に波及する経済効果にも言及した。

麗澤大学 近藤明人 ゼミ選抜チーム

「麗凍パスタ」 本格イタリアンを冷凍かつ自動販売機で手軽に!

コロナ禍による時短要請により、多くの飲食店が売り上げ面で多大なダメージを受けた。学生たちはキャンパスがある千葉県柏市のイタリアンレストラン「zoe’s」と姉妹店「zoe’s台所」をキーパートナーとして「本格イタリアンを冷凍かつ自動販売機で手軽に!」をコンセプトにしたビジネスプランを提案。「zoe’s」はグルメサイトでの受賞歴もある人気店だが、コロナ禍以降の売り上げ減に悩んでいた。そこで自動販売機とアプリを利用したコロナ禍の影響を受けにくいビジネス形態を導入することを発案した。
学生たちはまずクーポンなどの特典があるアプリのプロトタイプを作成し、同時に「zoe’s」のシェフに販売価格990円の設定で3種の冷凍パスタ試作してもらった。季節の食材なども使った試作冷凍パスタは期待を上回る美味しさで、学生たちのモチベーションもさらにアップ。中小企業庁と中小企業基盤整備機構が実施する「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助事業」への申請(補助金額750~1250万円)で資金調達し、1か月50万円程度の純利益を想定するなど、ビジネスプラン実現に向けた具体策を練り上げた。

4大学のプレゼンがすべて終了後、審査員の教員と学生、またゲスト審査員の方々が各チームを採点。その結果、4大学がほとんど僅差で並び、わずかの差で専修大学が優勝。次点は同点で玉川大学と東京国際大学。麗澤大学は特別審査員のせがわきり賞を受賞しました。
惜しくも優勝は逃しましたが、「地域への浸透をしっかり考えている(笠間さん)」と好評かを得た玉川大学チームの4名に、終了直後の会場でプレゼンバトルへの取り組みと感想を聞いてみました(いずれも工学部マネジメントサイエンス学科3年生/順不同)

<玉川大学チームの皆さん:左から小酒井さん、田中さん、鍛冶さん、箭竹さん>

※撮影時のみマスクを外しています。

(玉川大学 チーム 学生の声)

小酒井美冬さん

プレゼンをすべて終わった今はすべてをやり切った気持ちです。自己採点は100点満点。それだけに僅差でも優勝できなかったことが悔しいです。当初からキャンパスがある地域との関わりをテーマにしたいとは思っていましたが、ビジネスプランを具体化するまでには十分に時間をかけました。チームで役割を上手く分担して準備を進め、ギリギリまでより良いプレゼンができるように一丸となって頑張りました。

田中あかりさん

私たちはプレゼンバトル前夜までビジネスプランの細部やプレゼンのやり方などについてみんなで話し合い、万全な準備のもと当日を迎えました。最初にメンバー全員で「Walk through」をポーズで表現したのも直前に決めたことでした。今回のプレゼン内容で良かったのは、商店街の方々の声をしっかり聞いて、それらの意見を取り入れることでプランのリアリティを徹底的に追求したことでした。あらためて地域の皆さんに感謝します。

鍛冶日奈美さん

今回プレゼンバトルにあたってはビジネスプランの内容はもちろん、プレゼンでどのように伝えるか、聞いている人に興味を持ってもらうには如何すれば良いか?ということを考え抜きました。その結果、まず友人と会話するように、リラックスして話すことが大切だと感じました。本番では緊張することなく、しっかりと私たちのプランを説明することができ、質疑応答でもあわてず応えることができたと思います。

箭竹琴美さん

プレゼンバトルを終えて思うのは「もう少しでも時間があれば」。でもそれはどの大学も同じ。私たちなりのベストを尽くすことができたという自負があります。メンバーがそれぞれ得意分野を活かして一つのプランを作りあげていったプロセスはかけがえのない経験となりました。私は教員を目指していますが、プレゼンバトルを通してこれからの教員に求められる能力や資質について多くのことを学ぶことができたと感じています。

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