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旧大学8号館を使い、町田消防署と青葉消防署が訓練を実施。消防官が実践的な経験を積む機会になりました。

2022.11.09

東京都と神奈川県にまたがる形で広大なキャンパスが広がる玉川学園。日頃から東京都の町田消防署や横浜市の青葉消防署・川崎市の麻生消防署と連携し、学内の防災に努めています。そこで9月の複数日を使い、現在解体が進む旧大学8号館において、町田消防署・青葉消防署の消防活動訓練が行われました。

日頃学内の防火・防災業務を担当している総務部総務課が、消防署の皆さんとコミュニケーションしている中でよく聞かれるのが「実際の災害状況をイメージできるような、実践的な消火・救助訓練を行う場所が少ない」ということです。もちろん各消防署には日常的な訓練を行う設備があり、また立川消防署のようなハイパーレスキューが常駐する消防署には本格的な訓練施設も整っています。ただ、頻繁に訓練を行う中で、どうしても「同じような設定」となることも少なくありません。「できれば、解体が決まった建造物を使い、建物内で実際に即した訓練を行いたい」ということから、玉川学園としての地域貢献・社会貢献の意味もあり、今回の訓練が実施されることになったのです。
これまでも玉川学園では、解体の決まった建造物を使い、近隣の消防・警察と連携し、消防訓練や防災訓練を行ってきました。最近では2017年に、旧高等部第一校舎で町田消防署、町田警察署、玉川学園など8団体合同による震災訓練を実施。今回は、消防署内のみの大規模訓練の計画はありましたが、訓練予定日に大雨による警戒態勢のため、残念ながら中止に。それでも、町田・青葉両消防署管内の各出張所などからも消防隊が本学に訪れ訓練を実施しました。
今回は各消防署が行った訓練について、ご提供いただいた写真とともにご紹介します。

実際の建造物を使って訓練を行うメリットの一つが、詳しい状況を知らない中で消火や救助の訓練を行える点にあります。また旧大学8号館は工学部が利用した校舎であり、重量のある設備の設置が想定されたことから、構造的に強度があり、床面も通常より厚く設計されています。そこで今回は建物の高い場所からロープを使って降りるレスキューの訓練や、鉄製のドアやコンクリートの床を壊して要救助者を救助する破壊訓練など、各小隊で決めた想定に沿って訓練が実施されました。

たとえば下層階に要救助者がおり、上層階からアプローチを行う場合、床面に重機を使って進入口を開けていきます。まずは小さく穴を開け、ビデオスコープを使って下層階の状況を確認。その後に開口部分の強度を確保するため三角形に掘削することで、進入口を開けていきます。旧大学8号館は床面のコンクリートが厚いため、掘削機などの重機も投入。進入口を開けたら要救助者を専用の担架に乗せ、引き上げていきます。こうした訓練以外にも、鉄製のドアを重機を使いながらこじ開けるといった訓練も。地震などでドア枠が歪んでしまうとドアが開かなくなるといったことが起こります。消防署内でも同様の訓練を行っていますが、仮設したドアで行うことも多いため、実際のドアを破壊する今回のような訓練は貴重な経験となるのです。

青葉消防署提供写真より

ビデオスコープを挿入するための掘削の様子

侵入口設定のための準備

エンジンカッターによる破砕エリアの確定

削岩機による掘削の様子

ハンマーによる破砕の様子

鉄線を切り侵入口を広げる様子

町田消防署提供写真より

重機を使い、消防隊員の侵入経路を確保する訓練

特殊な工具で窓ガラスを割り鍵を開ける訓練

ドアの破壊訓練

ビデオスコープを挿入するための掘削の様子

削岩機による掘削の様子

一連の訓練を終え、消防署の方からは「充実した訓練ができました。特に若い消防官は、重機を操作する機会がなかなかありません。今回はそれらを使い、実際に壁や床を破壊するといった経験を彼らに積ませることができました」といった声をいただくことができました。
日頃お世話になっている町田消防署、青葉消防署の皆さんにとっていい経験となった今回の消防活動訓練。玉川学園では今後もさまざまな形での地域貢献・社会貢献を行っていきます。

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