玉川大学・玉川学園Webサイト
IEサポート終了のお知らせ

玉川大学・玉川学園webサイトTOPページリニューアルに伴い、Microsoft 社の Internet Explorer(以下、IE)のサポートを終了いたしました。本学園が運営するサイトをIEで閲覧した場合正しく表示されない恐れがございます。
皆様にはご不便をおかけしますが、別のブラウザを利用しての閲覧をお願いいたします。

玉川学園前駅周辺の路面標示シートを芸術学部の学生が制作。地域の方と何度も意見を交わし、皆が納得のいくデザインが完成しました。

2023.02.24

「芸術による社会貢献」で、学生の実践力を高める玉川大学芸術学部。これまでもプロジェクト型授業などの社会連携を通して、教室での授業では得られない経験値を高めてきました。
こうした中、町田市環境資源部環境共生課からの依頼を受け、小田急線玉川学園前駅周辺のポイ捨て防止などを目的とする路面標示シートのデザインを制作することとなり、メディア・デザイン学科小北麻記子教授のゼミに所属する3年生が担当することに。町田市に加えて玉川学園町内会の皆さんとも協議した結果、11月には3パターンのデザイン案が完成しました。そして2023年1月17日(火)、路面への設置施工が学生も参加して行われました。

当日は玉川学園前駅の駅前にある町田市玉川学園コミュニティセンターに関係者が集合。新聞社やテレビ局の取材も入る中、学生たちは町田市の方から施工のレクチャーを受けます。路面にシートサイズのマスキングテープを貼り、その内側に下地材を塗布してシートを貼っていきます。最初の1枚を貼り終えると拍手が沸き起こり、学生たちは路面に貼られたシートの感触を指で確かめていました。

今回の路面シートを町田市から依頼されたのは2022年3月。小北教授や椿敏幸学科主任が町田市と進め方を確認し、5月から小北ゼミの3年生12名が授業内の課題としてデザイン制作に取り組みました。「当初は町内会の皆さんも、ごみ問題の対応に苦慮されていることから交通標識の禁止マークのような直裁的なデザインを求めておられました」と、当時を振り返る小北教授。
7月には町内会の皆さんと意見交換会を実施し、学生が考えてきた30点以上の案をゼミ生一人ひとりが丁寧にプレゼンテーションを行いました。そこから町内会の皆さん・町田市環境資源部環境共生課とで意見を出し合い、「最初から禁止マークのような強いメッセージを使うと逆効果になるのではないか」、「街の品位を考えた際に最適か」など、さまざまな角度から考察を重ねた結果、もう少し柔らかなアプローチに。

7月 プレゼンテーションの様子

11月に確定した最終的なデザイン案3パターンは、市内にリス園があることからリスをモチーフにした案と、吸い殻をメインとした案、そして親子がごみ袋を持っている案となりました。この中から比較的ダイレクトなアプローチである吸い殻のデザインは駅の近くに、親子のデザインは住宅街を中心に貼るなど、エリアの特性も考慮して施工が行われました。
デザインの過程においては、学生たちそれぞれが複数案を提出。文字の大きさのバランスや線の太さ、ピクトグラムの分かりやすさなど、小北教授による細かな修正を反映させるかたちでブラッシュアップを重ねていきました。最終的に3名の学生の案が採用されましたが、「他者から意見をもらいながら、自身の案を手直ししていく」という作業は、他の学生にとってもまたとない経験となったことでしょう。また「ポイ捨てしないで」を意味する英文として書かれた「Do Not Litter」は日本人には馴染みがありませんが、これは英語を母語とする人に伝わりやすい表現を国際教育センター長の大谷千恵教授に確認した上で選ばれたフレーズ。こうして完成したデザイン案は、当日取材に来た新聞社の方からも「まるでプロのデザイナーの仕事のよう」と高い評価を得るほどのクオリティとなりました。

取材に堂々と答える学生たち

今回デザイン案を採用された学生にも話を聞きました。

左から笹川さん、今枝さん、冨岡さん、町内会の皆さん

笹川佳恵さん

多くの人が目にする駅周辺に自分のデザインが使われることに、驚きと同時にうれしさでいっぱいです。円形のデザインは四角形よりも面積が少ないため、煙草の大きさや、ごみとリスのバランスなどに苦労しました。またラフ案の段階から町内会の方にも意見をいただいたことで、地域に寄り添ったデザインになったのではないかと思っています。これを見た人が年齢や国籍にかかわらず、環境美化を考えるきっかけになってほしいと思います。

今枝祐月さん

煙草をモチーフにしましたが、グリーンの柔らかな色合いや、線の端を丸くするといった工夫で、見た方が受け入れやすいデザインになるよう心がけました。普段は個人での作業が多いのですが、地域や行政の方と協力して進めることで、お互いの立場を理解し、より良いものが生まれるのではないかと感じました。また異なる視点を取り入れることや、実際に現地に足を運ぶことの重要性なども学べたと思います。

冨岡比呂さん

「大人も子どもも街をきれいに」がコンセプトです。路面標示は壁に貼られたポスターよりも目に留める時間が短いので、こちらの意図を瞬時に分かってもらうことを心がけました。他のデザイン案やブラッシュアップ案も含めると30案以上考えたと思います。社会連携は玉川らしい取り組みなので、楽しいだけでなく、多くの人の思いをデザインに反映させる難しさも学ぶことができる非常にいい経験となりました。

地域の方の要望も伺った上で、デザインの意図もしっかりと伝える。そうしたやり取りを丁寧に重ねたことで、行政、住民、学生の三者が満足のいく結果となった今回のプロジェクト。町田市と町内会の双方から「また一緒にやりましょう」という言葉をいただいたことが何よりの成果と語る小北教授ですが、「同時に、このデザインがきちんと結果を出し、駅周辺が美化されることが重要」とのことでした。町田市では東急田園都市線南町田グランベリーパーク駅周辺でも同様のシートを設置していますが、今後は両駅周辺のごみの量の変化についても検証していくそうです。
今回のポイ捨て防止の路面標示デザインは、玉川学園前駅周辺の道路に数多く設置されています。ぜひ学生たちの手がけたデザインをご覧ください。

シェアする