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学生たちの4年間の集大成。芸術学部の卒業制作展「The Arts Garden」が横浜赤レンガ倉庫で開催されました。

2023.03.31

2月24日(金)~27日(月)の4日間、横浜赤レンガ倉庫1号館2-3階において、芸術学部メディア・デザイン学科と芸術教育学科美術・工芸コースによる卒業制作展と卒業コンサートが開催されました。 今回の展示発表は、芸術学部で2021年度からスタートした「The Arts Garden」プロジェクトの一環として行われたものです。10月の巡回公演を皮切りに、音楽・美術・デザイン・工芸・演劇・舞踊など、芸術学部のすべてのジャンルを一つにまとめ、4年間の学修成果を発表。今回の横浜赤レンガ倉庫でのイベントは、そのフィナーレを飾るものとなりました。

<The Arts Garden>
  • シバイノタカラバコ・TAIKO & DANCE 2022・舞台美術展 30th
  • パフォーミング・アーツ学科 令和4年度秋学期舞踊公演『Performing Body 2022』
  • パフォーミング・アーツ学科 令和4年度秋学期演劇公演『雨』
  • パフォーミング・アーツ学科 卒業プロジェクトコンサート2023
  • パフォーミング・アーツ学科 MUSICAL CONCERT 2022
  • 芸術教育学科卒業プロジェクト2023 音楽コース卒業演奏会・修了演奏会
  • 芸術教育学科 美術・工芸コース卒業制作展
  • メディア・デザイン学科 卒業制作展2022
  • メディア・デザイン学科 コンピュータ音楽系卒業コンサート2022

今回の横浜赤レンガ倉庫でのイベントは、芸術教育学科 美術・工芸コース卒業制作展、メディア・デザイン学科 卒業制作展2022、コンピュータ音楽系卒業コンサート2022の3つのイベントが開催されており、そのフィナーレを飾るものとなりました。

本年度もデザイン、コンピュータグラフィックス、映像、空間表現、総合造形、コンピュータ音楽、絵画、工芸といったさまざまな分野の作品を展示。4日間の開催期間に多くの方に足を運んでいただきました。近年の特徴ともいえるのが、STREAM Ha II 2019のメーカーズフロアを活用した3Dプリンターやレーザーカッター、また、ガラス素材と光表現の要素を取り入れた複合的な作品が増えたことです。時には工学部の教員や学生にも意見を求めて作品を制作するなど、玉川大学が掲げるESTEAM教育の成果が見て取れます。

ここでは学部長賞、学部長特別賞に輝いた作品についてご紹介します。

学部長賞

タイトル:あなた[ ]

メディア・デザイン学科 兒島朋笑さん

来場された方の「モニタをのぞき込む」などの動きを数値化し、それをもとにプログラミングされた音楽を作成。その場で生まれた音楽に合わせて、パフォーミング・アーツ学科の学生に即興でコンテンポラリーダンスを踊ってもらいました。鑑賞者の行動が演出を左右することを、「あなた[が]動かしている」、「あなた[は]動いている」など、さまざまな解釈ができるタイトルの[]に込めています。プログラミングによって成り立っている作品なので、当日もセンサーが反応しなかったり意図しない音が出るといったトラブルもありましたが、1年次から学んできたことをかたちにできたと思っています。

タイトル:ohajiki 木とタイルのある生活

芸術教育学科 重野百音さん

日常生活を豊かなものにする日用品を作りたいと思い、机と椅子に着目。玉川学園内で採れたケヤキの間伐材を利用し、そこにタイルを埋め込みました。タイルは一つひとつ手作りでサイズも違うため、それを硬い木材に併せて埋め込んでいく作業が大変でしたね。だから学部長賞を受賞でき、とても良かったです。芸術教育学科では卒業制作に加えて卒業論文の執筆も課せられます。論文では子どものサードプレイスについて考察しましたが、今回の卒業制作と併せて、心地よい空間とは何かをまとめることができたのではないかと思っています。またTAG(玉川アートギャラリー)など多くの活動に参加できたこともプラスになったと思います。

学部長特別賞

タイトル:断片/欠片

メディア・デザイン学科 小倉真奈さん

当たり前のように存在している空や海の、一瞬々々の情景を切り取り、閉じ込めたいと思いました。作品をユニバース、プラネット、トワイライト、シーにカテゴライズし、アルコールインクやレジンを用いて表現。レジンがなかなか固まらないといった苦労もありましたが、挑戦したかったアルコールインクを上手く使えて面白かったです。後輩たちやこれから芸術について学ぼうと考えている人に伝えたいのは、自分の感性を大事にしてほしいということ。表現したいことは一人ひとり違うと思いますが、玉川大学の芸術学部ならさまざまなジャンルの先生や設備も揃っているので、挑戦できるのではないでしょうか。

タイトル:ミニチュアバッグ

メディア・デザイン学科 亀山亜珠さん

缶バッジやキャラクターグッズをたくさん付けたバッグのことを「痛バッグ」と呼ぶのですが、それをミニチュアに替えたバッグを制作。フィギュアは以前から作っていましたが、バッグの制作は初めてで、厚い革を縫っていくのに苦労しました。またメーカーズフロアの3Dプリンタも使わせてもらったのですが、工学部の学生が「使いかたは学んだけれど、何を作っていいか思い浮かばなかった」と言われたことが印象的です。お互いがアイデアと技術を持ち寄ることで、新しいものができるのではないかと感じました。卒業後は文具メーカーに就職しますが、こうした面白いものを作っていけたらと思っています。

タイトル:Pointless Switch

メディア・デザイン学科 波多野凜さん

Pointlessには「意味のない」といった意味があります。玩具の中には、単純な動きで飽きが来ず遊び続けられるフィジェットトイというジャンルがありますが、スイッチを押すという単純な動作で脳を活性化できるような玩具を考案しました。また、飽きが来ないようカスタマイズが可能だったり、デスクインテリアにもなるよう透明で蛍光のアクリル素材を選んでいます。スイッチが正しく作動するようコンマ数ミリ単位でアクリル板を削る必要がありましたが、メーカーズフロアを使わせてもらいました。たくさんの方に相談し、多くのアドバイスをいただいた結果として完成できた作品なので、受賞が恩返しになると感じています。

学生生活の大半を、新型コロナウィルス感染症の影響を受けながら送ってきた本年度の芸術学部4年生たち。ただ、さまざまな制限があったことが、逆にアイデアを考える際のプラスになったのではないかと思えるほど、一つひとつの作品に明確な意図や狙いがありました。また工学部で取り組むテクノロジーなどを取り入れた作品も、数多く見受けられました。卒業後も彼らが4年間の学びを活かし、「芸術による社会貢献」を実践することを願っています。

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