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STEAM時代に社会に貢献できる人材となるために。大学院・芸術専攻科入学式と、大学院生の集いが開催されました。

2023.04.28

4月6日(木)、University Concert Hall 2016内のMarbleにおいて、玉川大学大学院・芸術専攻科の入学式が行われました。この日は入学式に続き、大学院生の集いも開催。研究者としての第一歩を踏み出しました。

式が始まるまで、会場のステージ上では科学と芸術の融合であるESTEAM教育を象徴するピアノSPIRIO rが自動演奏を行い、新入生を歓迎しました。
そして入学式では国歌斉唱の後、入学生の紹介が行われました。
名前が読み上げられるたび、学生が起立し一礼します。その都度、会場の皆さんや教職員から拍手が送られました。

入学生紹介の後に行われたのが、小原芳明学長による訓辞です。
「今日から玉川の丘で教育研究活動を行う皆さんを歓迎します。この場には、この3月に大学を卒業して研究科に進学してきた人たち、そして社会での活動を踏まえ、研究テーマを持ち進学してきた人たちがいます。世代こそ違いますが、これからは玉川の研究者同士として、共に真理を求めての活動を期待しています」。
歓迎の言葉を口にした上で、小原学長は進化の速度を速める高度情報化社会についても言及。「社会が抱える諸問題の解決策の一つがSTEAMです。ぜひ皆さんの研究にもSTEAMを取り入れてみてください。さて、温故知新とあるように、基礎知識を土台に新たな知識を生み出す機会、それが大学院です。未知の領域に一歩踏み出すためにはプロアクティブな心構えが必要です。本学が掲げる第二里行者と知行合一の精神とはそのことです。社会は常により良い明日を作り出す人的資本の構築を求めています。我が国にとってSTEAM分野の人的資源がいかに重要であるかを認識し、社会に貢献できる人間となることを、大学院での学修の目的としてください」と、これからの研究活動への期待を寄せました。

そして校歌斉唱で入学式は終了し、続いて、在学生も含め大学院生全員を対象とした「大学院生の集い」が開催されました。
今回は本年度から玉川大学学術研究所生物機能開発研究センターの特任教授となった倉橋みどり氏に「Chat GPT時代の研究力とは?」と題し、講演いただきました。
これまで東京大学大学院農学生命科学研究科などで、微細藻類バイオマスに関する研究を行ってきた倉橋特任教授。現在はそれを基盤として気候変動対応策についての研究も行っています。

Chat GPTについて倉橋特任教授は「問題を提起する人もいますが、大変革を起こす可能性もあります。そしてChat GPT時代には、真の研究者とそうでない研究者がますます混在するのではないでしょうか」と語ってくれました。「だからこそ、研究者は自分で考える力がこれまで以上に求められると思います」。
その上で自身の研究について、「気候変動は非常に危険なレベルに近づいており、ホモ・サピエンス種が生き残れるかどうかという域に達しています」と語る倉橋特任教授。人類の歴史を紐解いてもこれだけCO2排出量が上昇したことはなく、近年の気候の極端化、狂暴化の要因にもなっているそうです。こうした中で石油の代替となるエネルギーの発見やエネルギーの使用量を抑えることが解決策となりますが、「海洋深層水を用いて微細藻類を培養し、そこから抽出した有機物質でバイオマス・コンビナートを作るといったことも考えられます」とのことでした。「現状から未来を考えるフォアキャスト型の思考ではなく、目指す未来を決めた上で必要な施策を考えるバックキャスト型の思考で、これから研究活動を行ってください。気候変動に対する私の分野での基礎研究は、ある程度の成果を出すことができました。これを産業につなげることを、皆さんにはお願いしたいと思います」と語り、倉橋特任教授は講演を終えました。

「夢のある人にチャンスをくれるのが、玉川大学」とも語ってくれた倉橋特任教授。入学式を終えた学生たちは、今日から倉橋特任教授と同じ研究者です。これまで学んできた知識を基盤として各自の研究に取り組むことで、次の時代の人的資源となることを願っています。

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