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2023年度 春学期 複合領域研究213 Introduction to Japan: Arts & Science 前半報告「キャンパス内外で自然体験を満喫し、自然を愛でる日本文化探訪」

2023.07.12

留学生と一緒に日本について英語で学ぶ「日本入門:アーツ&サイエンス」の授業では、前半、日本の自然から学ぶトピックを中心に学びました。玉川学園キャンパスの豊かな里山の自然環境をめぐり、箱根自然観察林では奥山の生態系を体験、町田市立国際版画美術館では西洋と日本の自然描写を比較し、そして、特別講義では都市における植物との触れ合いの場であるコミュニティー・ガーデンについて学びました。キャンパス内外での自然と文化体験を通して、日常生活の身近な緑化から里山と奥山における複雑な生態系の問いまで、幾重にも自然を観察し、生き物のつながりを発見できる機会に満ちていました。人間が介在することによって起こる生態系維持の難しさについても議論しました。あらためて、日本の自然環境が日本の教育、言語、観光、ビジネス、文化、芸術表現にも影響しているのか興味が湧き、他の国とどのような違いがあるのか、後半の授業回の報告もご期待ください。

キャンパス里山の自然体験

農学部環境農学科友常満利先生と大学院生たちの解説付きで、玉川大学キャンパスの農場エリアを散策し、都市域に残された里山エコシステムが提供する4つのサービス:生物多様性の支持(Supporting), 自然の恵みの提供(Provision), 教育・文化の場の提供(Cultural), 気温や水質などの調整(Regulation)について講義と自然観察から学びました。キャンパスに広がる風光明媚な里山のなかで、農地や草地、林地といった生態系、またそこに生息する生き物を観察することで、無数の小さなエコシステムから里山エコシステムが形成されていることを体験的に知覚できました。

風光明媚な玉川大学キャンパスの里山

箱根自然観察林へ奥山の自然体験

五月雨のなか箱根を目指し、ログハウスの須雲塾に着くと、農学部環境農学科の南佳典先生の解説で、箱根の地質と地形、および地史について学びました。その後、雨音に包まれつつ奥山をめぐり、樹木の木肌に触れ、自然の地形を活かした「わさび田」で山葵の風味を感じるなど、記憶に残る体験を解説とともに、五感を通して奥山の自然を満喫しました。特に、ダムの建設によって、どのように生態系が変化したのか、もとの自然環境にもどす人為は更なる負荷を環境に及ぼしかねないといった人為と自然界のバランスを問う議論に発展しました。

箱根の奥山散策

町田市立国際版画美術館企画展「自然という書物 15-19世紀のナチュラルヒストリー&アート」と「日本の自然と多色摺木版の世界」を訪問し、各自が西洋と日本の自然描写を作品の中から選び模写をしつつ比較しました。例えば、15世紀のドイツの木版・手彩色の作品「健康の庭」(1485)からは植物を客観的に捉える自然観察の視線がうかがえる一方、歌川広重の「柳に燕」(1830)には日常生活を彩る装飾性の意図を感じるなど、自然描写における目的と表現の違いに気づき考察しました。

町田市立国際版画美術館にて

文化人類学がご専門の池田陽子先生(昭和女子大学国際学部)による特別講義では、ニューヨークのコミュニティー・ガーデンの歴史と運営方法について、住民みずからが都市環境の改善に努めたガーデンの起源や、ガーデンが職種や階級、人種・エスニシティを超えた交流の場になっていることを学びました。ワークショップでは、グループごとに選択した都市公園について、魅力を発信するキャッチフレーズを英語で提案し、日本での都市の緑を維持する仕組みとコミュニティーづくりについて考えるきっかけになりました。

コミュニティー・ガーデンについて特別講義

春学期後半の授業回も楽しみです。

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