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お互いの文化の違いを考える。シンガポール国立大学の研修生とリベラルアーツ学部生が、協働でプロジェクトワークに取り組みました。

2023.08.01

7月5日(水)、玉川大学へ短期研修に来ているシンガポール国立大学(以下NUS)の学生とリベラルアーツ学部の学生による日本語発表会が、大学教育棟2014のアカデミック・スクエアで行われました。
これまでもNUSの学生を受け入れ、研修を行ってきたリベラルアーツ学部。2020年度からは新型コロナウイルスの影響もあり中止となっていましたが、4年ぶりに再開されることに。6月19日(月)から7月7日(金)の約3週間の日程で6名の研修生が来日し、学内の宿泊研修施設で生活をしながらさまざまなプログラムに取り組みました。彼らのサポート役を担当したのがリベラルアーツ学部の学生たちです。この日の日本語発表会では研修生たちとリベラルアーツ学部生が協働で日本に滞在して感じた興味や関心を掘り下げ、3チームに分かれて発表を行いました。

<準備の様子>

食文化 ―主に外食の実態からー

日本で暮らすようになって、外食に対する考え方の違いに気付いたという研修生たち。学内でインタビューを行い、外食スタイルや予算について調査を行いました。結果として、日本で外食というと夕食が中心となるのに対し、シンガポールでは朝・昼・夜と均等に外食を行うという結果が。また一回の外食に掛ける予算も日本が2,000円以上であるのに対し、シンガポールは1,000円程度という結果が出ました。この背景には、国土が狭いシンガポールでは食材の多くを輸入することになり、自炊をしたとしても外食並みのコストがかかる点や、外食の価格抑制のためにホーカー(フードコートのような屋台街)には補助金が出ていることから気軽に外食できる環境があることが挙げられました。

日本のゲームセンター・ゲーム文化

このチームは、シンガポールと日本のゲームセンターに対するイメージの違いを取り上げました。日本では家族連れで訪れることも多いゲームセンターですが、シンガポールでは学校の制服を着て行ってはいけないなど、あまりよいイメージがないそうです。研修生たちは学内だけでなく町田や池袋のゲームセンターでもインタビューを行い、遊びに来る頻度や滞在時間、一度に使用する金額などを調査。シンガポールでは行ったことのない人のほうが多いそうですが、日本では日常的に利用しているなど、違いが明確になりました。

「おひとりさま」事情

研修生たちが日本を訪れてとても驚いたというのが、飲食店でよく見られる「おひとりさま用の席」だったそうです。そこでこのチームでは日本のおひとりさま事情について調査。学内でインタビューを行い、どのような店であれば一人で利用するのかなどを調べました。すると手軽に利用でき早く料理が出てくる、価格帯の安い店が多いという結果に。「おひとりさま」需要が多い背景には、平均結婚年齢の上昇や新型コロナウイルスの影響があるのではないかと研修生たちは考察。その上で、「今後もおひとりさまは増加し、多様化していくのではないか」とまとめました。

各グループの発表後には、学生からさまざまな質問が寄せられましたが、それら一つひとつに対して研修生たちは日本語で回答。難しい場合には、サポートをしたリベラルアーツ学部の学生に相談しながら答える姿が印象的でした。

最後に国際教育センター長の中村哲教授(観光学部)から講評がありました。「今回の発表会を通して、NUSの研修生の皆さんが日本語をしっかり学ばれていることを感じました。またリベラルアーツ学部の学生にとっても、今回の共同での調査がとてもいい経験になったと思います。研修生の皆さんが実際に日本を訪れ、玉川の学生と接し、そこで感じたシンガポールと日本の価値観の違いなどが、今回の発表に反映されたのではないでしょうか。研修生の皆さんにとっても、日本語研修以上の意義があったのではないかと思います」と研修生たちに伝えました。
約3週間の研修期間の中で、講義のほかにも多くのプログラムに取り組んでいた研修生たち。その合間を縫ってのフィールドワークやインタビューは大変だったであろうと思いますが、どのチームも分析や考察をきちんと行い、約10分のプレゼンテーションに上手にまとめていました。またサポート役を担当したリベラルアーツ学部の学生たちにとっても、普段の日常を別の視点で見るという経験を得ることに。3年ほど行うことのできなかったNUSの短期研修ですが、双方の学生にとって非常に意義のある学びの機会となりました。

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