卒業生の心の中にある「いつかの学園」を図案化。「ヨックモック玉川オリジナル缶」のデザインを、芸術学部小北ゼミの学生が担当しました。

2023.12.13

株式会社ヨックモックより玉川大学・玉川学園オリジナル缶商品の提案があり、そのパッケージデザインを芸術学部の3年生が担当することが決定。8月には学長をはじめ関係教職員へのプレゼンテーションが行なわれ、このたび完成しました。ヨックモック代表取締役社長である藤縄武士氏は玉川大学の卒業生（1994年・文学部）であり、その商品は「ゆめ100募金」の返礼品としても使われています。新たにデザインされたオリジナル缶は数量限定で生産し、学内で行われる行事や購買部での一般販売（12月中旬を予定）など活用されていく予定です。

今回デザインを担当したのは、芸術学部・小北麻記子教授のゼミナール生10名。STREAM Hall 2019で行われた8月のプレゼンテーションでは、学生一人ひとりが順番にマイクを握りプレゼンテーションに臨みました。

「95周年にふさわしいデザインとはどういうものなのか？」というところからデザインを考えていった学生たち。そこから導き出されたのが、俯瞰した学園の情景をデザイン化することで、幅広い年代の卒業生や在学生といった玉川学園関係者の誰もが想起する「いつかの学園」を表現するというアイデアでした。そして実際に学内を探索し、学園にまつわるモノやコトの洗い出しを実施。建物、動植物等に加え、季節感のあるモチーフなどを選んでいきました。「選定の過程で、自分たちが気付いていなかった学園の歴史などを知ることもできました」と、学生の一人は語ります。

選ばれたアイテム数は100以上。それらをゼミ生全員で手分けして描き、何度も修正を重ねながらひとつのビジョンへとまとめあげました。「精緻に描くことよりも印象が似ていることや、手描き風のぬくもりがある表現となることを心がけました」と小北先生。デザインを簡略化していくことについては、ピクトグラムなども手がけてきたゼミ生たちの経験が活きたのかもしれません。結果として、パッケージとしての馴染みの良さに加えて、じっくりと見たときのアイテムを探す楽しみも併せ持ったデザインが完成しました。
プレゼンテーションでは使用する色についてなど、さまざまな質問が寄せられました。また「年配の卒業生は、まず礼拝堂を探すのではないか。現状のデザインでは俯瞰した際の向きに合わせているが、そこにとらわれず、象徴的に正面を向けてもいいのでは？」、「それぞれのモチーフが何を意味しているのかをまとめた『解説書』のようなものが付いているといいのでは？」といった意見も。また「このビッシリと詰まったデザイン要素の中に、玉川大学の研究を象徴するようなモチーフや歩く生徒たち、さらには警備員さんが2名も入っているのも玉川学園らしい」といった声も聞かれました。