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J1に昇格した町田ゼルビアをデザイン面から支援。町田市から依頼を受け、芸術学部の学生がGIONスタジアムへのルートを示す路面標示シートを制作しました。

2024.03.04

芸術学部メディア・デザイン学科小北麻記子教授のゼミ生たちが、FC町田ゼルビアのホームスタジアムを擁する町田市立野津田公園周辺の、路面標示シートのデザインを担当。Jリーグ2024年シーズン開幕を前に、その設置が行われました。

設置されたエリア

玉川学園がトップパートナー契約を結ぶ、Jリーグ・FC町田ゼルビア(以下、町田ゼルビア)。2023年にJ2優勝を果たしたことで、2024年は悲願のJ1昇格が決まりました。 そこで問題となったのが、ホームであるGIONスタジアムへのアクセスです。特に都道芝溝街道の野津田車庫バス停からスタジアムへ至る約780メートルのルートは道幅も狭く、本来は豊かな自然を楽しむ遊歩道として整備されたもの。これまでも一部のサポーターがルートを外れてしまい、周辺地域に迷い込むといったことが起きていました。またJ1となると1試合あたりの平均入場者数が18,993人と、J2の6,904人の3倍近くに増加(2023年・Jリーグ調べ)。何より「初めてGIONスタジアムを訪れる」という対戦チームのサポーターが多いことも考えられます。町田ゼルビアの黒田剛監督からも「スタジアムへのアクセス性向上を」というオーダーがあり、町田市としても該当道路の舗装補修に努めるなど対策に取り組んできました。そしてよりスムーズに楽しみながらスタジアムに到着してもらえるよう、路面標示シートを設置することになったのです。
小北ゼミは昨年も町田市からの依頼で、玉川学園前駅周辺でのポイ捨て禁止の注意喚起を行う路面標示シートをデザインしたことがあり、その実績が評価され今回の制作へとつながりました。担当したのは、4年生となった前回と同じ学生たち12名です。2023年11月中旬から検討を重ね、12月中旬に町田市担当者にプレゼンテーションを実施。その際の要望を踏まえてデザインをブラッシュアップし、2月上旬に設置されました。

今回学生たちがデザインした路面標示シートは、町田ゼルビアのチームカラーよりも明るめのブルーをベースカラーに採用。これは町田市の市の鳥でもあるカワセミの色でもあり、日没後でもはっきりと視認できるというメリットもあります。

制作したシートのサイズは3種類。直径30cmの円形のシートにはカワセミが描かれており、このシートを約5m間隔で設置することで、来園者がスムーズに目的地へと向かうことができます。実はカワセミのほかにリスの姿も見えます。これは、近くの町田リス園から抜け出してきたという隠れたストーリーももっており、カワセミが続く通りのアクセントにもなっています。使用したカワセミのイラストは、学生全員が制作したものの中から1案がセレクトされましたが、一部分では別の案が使用されています。この件について、「ルートの中には鎌倉時代からの道である鎌倉古道が含まれています。景観を損なわないよう、その箇所のみ色味を抑えた1色展開のイラスト案を採用しています」と小北先生。
また初めて訪れた人は距離感が掴めないだろうとの配慮から、目的地までの距離を記した直径50cmのシートも作成しました。そしてスタートとゴール、さらに道の分岐点には90cm×120cmの大型シートを設置。スタートとゴールには学生が考案したカワセミの全イラストが配されています。また分岐点で方向を示すシートは来園者に目を留めてもらえるよう、行き先を示す道路標識を想起させるようなデザインに。こうして「受け手にどれだけの情報を伝えられるか」について、小北先生と学生たちがさまざまな角度から検討した路面標示シートが完成しました。

実際に設置されたシート

円形シートのカワセミのイラストに採用された杉山沙蘭さんは、「この場所は多く人が通ると思うので、親しみやすいキャラクターのようなテイストでデザインしています。スタジアムへ向かう際に同じイラストだけだと単調になると思い、飛んでいる姿に加えて横向きと正面のデザインも考案し、パラパラマンガのように『カワセミが飛んできて、木に留まり、こちらを向いた』という一連の動きをイメージしています」と語ってくれました。また、昨年取り組んだ玉川学園前駅の路面標示シートは注意喚起が目的だったのに対し、今回は目的地への誘導だったこともあり、他の学生からは「たくさんの人に楽しんで歩いてもらいたいという気持ちで作ることができました」、「作り手の私たちも、楽しくポジティブな気持ちで取り組めました」といった感想が聞かれました。

卒業制作審査会が終了したタイミングで取りかかり、時間がない中での作業となった今回のプロジェクト。短期間できちんと形にできたのも、前回の玉川学園前駅での経験があったからでしょう。小北先生も「学生たちは、私が脱帽するくらいの集中力で取り組んでくれました。たぶん私の見えないところで励まし合っていたのではないでしょうか。卒業してしまうのが惜しいくらい、いいゼミ生たちです」と学生たちの頑張りを高く評価。卒業後は多くの学生がデザイン関係の仕事に就くとのことで、これからの活躍が楽しみです。

2月23日(金)に開幕した2024年のJ1リーグ。今年も町田ゼルビアのユニフォームの左袖には「玉川大学」と記されています。新たなステージでの活躍を見に、GIONスタジアムに足をお運びください。そして芸術学部生たちの力作を、ぜひご覧ください。

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