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教育博物館の創立95周年記念特別展「イコンにであう ―キリスト教絵画のみかた―」。  展示内容をより深く理解できるギャラリートークも開催中。

2024.12.18

玉川大学教育博物館では、玉川学園創立95周年記念特別展として「イコンにであう―キリスト教絵画のみかた―」を、2025年1月19日(日)まで開催しています。
玉川学園とイコンの出会いは、およそ半世紀前まで遡ります。1979年の創立50周年事業の一環としてイコンの収集を開始。現在はロシアとギリシアのイコンを中心に約100点を有し、国内でも屈指のコレクションとなっています。この特別展では、所蔵する優品を多数展示し、それぞれの主題や表現の特色、見どころなどをわかりやすく解説することで、イコンが持つ独特の美と魅力を紹介しています。
10月からの開催期間中にはさまざまな関連イベントも実施。「イコンに祈る―ウクライナ戦争をキリスト教はどう考えるのか―」と題して元駐ウクライナ特命全権大使で本学客員教授の角茂樹氏による講演会や、イコンの絵画手法で知られるテンペラ画を実際に描いてみるワークショップなどが開催されました。また、教育博物館の学芸員が見どころを紹介するギャラリートークも定期的に行っています。
ここでは萩原哉准教授によるギャラリートークを基に、今回の特別展の見どころをご紹介します。

そもそもイコン(icon)とは、「像」を意味するギリシア語のエイコーン(eikon)に由来する呼称で、広義にはキリスト教の聖像全般を含みますが、狭義には東方正教会において崇敬される板絵の聖像画を指します。ビザンティン帝国(東ローマ帝国)の時代に高度な発展を遂げ、東方正教会の布教とともにギリシア、ロシアや東ヨーロッパ諸国などへ広く伝播しました。これらの地域ではイコンは単なる絵画ではなく、神聖な存在として崇敬され、人々の信仰生活に深く根付いています。

今回の特別展は、イコンの主題によって分類した5つの章で構成されています。それぞれの章の代表的な作品を例に、萩原准教授による詳しい解説が行われました。

  1. イエス・キリストの生涯
  2. 聖母マリヤの姿
  3. 天使・預言者・福音記者・聖人
  4. 教義イコン・祝祭イコン
  5. イコンを描いた日本人

西欧絵画との大きな違いの一つに、イコンの抽象的な表現が挙げられます。西欧絵画が線遠近法を用いて空間の奥行きを表現するのに対し、イコンは逆遠近法で描かれている点も特徴。「これはイコンを見ている私たちの視点ではなく、描かれている神から見た視点で描かれているからです」と萩原准教授。また、イコンでは一つの画面の中に、異なる時間の事象または出来事を複数描く「異時同図法」と呼ばれる技法もよく用いられます。この他にも、多くのイコンが正面を向いたキリストやマリヤを描いている点について「これはどの角度からイコンを見ても、像と目が合うように描かれているからです」といった説明がありました。イコンの多くは、卵の黄身を主成分とするテンペラ絵具で描かれています。この絵具は経年劣化が少なく、色彩が鮮やかに保たれるという特徴があります。そのため、描かれた当時に近い輝きを放ち鮮やかさを保っているものが多く、その美しさは観る者を圧倒します。

萩原准教授のギャラリートークは1時間という短い時間ながら、西洋絵画とイコンの違いや東方正教会の宗教観、ロシアやギリシア、日本におけるイコンの歴史など、多岐にわたる内容を分かりやすく解説してくれます。聴講後には、イコンに対する理解が深まり、さらなる探求心を掻き立てられることでしょう。
本ギャラリートークは、12月20日(金)と1月17日(金)にも開催します。1月18日(土)には、記念講演会の講師をされた、本学客員教授の角茂樹氏によるスペシャル・ギャラリートークも開催します(各14:00〜15:00)。参加費は無料、事前申し込みも不要ですので、お気軽にご来館ください。

特別展・企画展のご案内

玉川学園創立95周年記念特別展

イコンにであう

―キリスト教絵画のみかた―

2024年10月21日(月)~2025年1月19日(日)

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