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世界で注目を集めるペロブスカイト太陽電池の生みの親、宮坂力博士による特別講演が、工学部テクノフェスタで行われました。

2025.01.09

コスモス祭期間中の11月9日(土)、University Concert Hall 2016において、工学部テクノフェスタ特別講演会「ペロブスカイト太陽電池の特徴と社会実装への期待」が開催されました。ペロブスカイト太陽電池の生みの親であり、桐蔭横浜大学医用工学部・特任教授、東京大学先端科学技術研究センター・フェローである宮坂力博士が登壇されました。

ペロブスカイト太陽電池は、従来のシリコン太陽電池と同等の発電効率を有しながら、薄型軽量で曲げることのできるフィルム型モジュールであることが特徴。製造や廃棄のコストも低いことから、政府や地方自治体もその事業化に取り組んでいます。宮坂先生は、2006年にペロブスカイト太陽電池を発明し、現在、その高効率化に向けた開発を進めています。この日の講演では、ペロブスカイト太陽電池の特徴が解説され、エネルギー自給率の低い日本において非常に有効な技術であることが示されました。

「私たちの世代だけでなく、皆さんの子どもや孫の世代もエネルギー問題に直面する可能性があります。もし皆さんがエネルギー関連の仕事に就くのであれば、ぜひ日本のエネルギー自給率を上げる仕事に携わってほしいと思います」と、宮坂先生は学生たちにメッセージを送りました。

宮坂先生の研究室の学生が開発したペロブスカイト太陽電池は、当初は発電効率が低く政府や企業からの注目も集まりませんでしたが、様々な分野の研究者や学生との意見交換を通じて効率を約26%まで向上させることに成功しました。特に、化学と物理という異なる分野の研究者と関わったことが、高い性能を引き出す上で大きな役割を果たしたそうです。

今後の課題は、耐久性向上・コスト低減・生産設備による量産化、そして生産時の良品比率の改善などが挙げられます。ペロブスカイト太陽電池が普及し、CO2排出量の削減が成し遂げられるには、地域ごとに蓄電センターを設置し、各家庭が発電・蓄電することが必要となります。宮坂先生は、「自治体によるモニタリングと政府の支援の下、エネルギー自給自足コミュニティが全国に広がれば、ペロブスカイト太陽電池は普及すると思っています」と展望を語りました。

参加した学生たちにとって今回の特別講演が、最先端の研究者から研究開発の秘訣を学び、今後の研究活動に活かせる貴重な機会になったことでしょう。

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