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2024年度「複合領域研究210:工農芸融合価値創出プロジェクト」『⾹り×⽟川⼤学』をテーマに最終プレゼンテーション開催

2025.03.11

専門性を超えた「共創の教育」と「デザイン・シンキング」実践の場

「複合領域研究210:工農芸融合価値創出プロジェクト」は、科学技術と芸術の融合をめざす玉川独自の"ESTEAM教育"の拠点である「STREAM Hall 2019」の完成に先駆けて2019年度よりスタートしました。当初は工学部、農学部、芸術学部の3学部の2~4年生を対象としていましたが、2021年度からはリベラルアーツ学部の学生も参加。学部・専門性の枠を超えた「共創の教育」の実践の場、そしてワンキャンパスの総合大学ならではのダイナミックな学びが体験できる魅力的な授業となっています。

学生にとって授業の大きなメリットは、他学部の学生との出会いとグループワークを体験しながら「デザイン・シンキング(デザイン思考)」を身につけられることにあります。「デザイン・シンキング」とは「1.共感→2.問題定義→3.発想→4.プロトタイプ→5.テスト」のサイクルを繰り返すことで新しいモノの創造=イノベーションを実現する思考プロセス。授業では4学部の学生が学部横断的なチームを組み、この「デザイン・シンキング」を実践しながらテーマに沿ったアイデアの実現を目指します。

2024年度のテーマは『⾹り×⽟川⼤学︓「⾹り」を題材としたブランド価値向上の施策を考えよう』。学生たちはまず4学部で構成するグループを結成。次の週から授業のオーガナイザーを務める小酒井正和教授(工学部)をはじめとする3学部6人の教員による「デザイン・シンキング」「アイデア発想法」「箱根自然観察林」「植物の多様性」「香りと脳科学」「人工知能と社会」をテーマとしたオムニバス講義を受講。さらに次の6週は講義で得た知見とグループでのディスカッションを経て、テーマに沿った課題解決に向けアイデアを練り上げ、各グループごとに「デザイン・シンキング」を実践。そして最後の2週でプレゼンテーションの準備と発表を行います。

プレゼンテーション発表は、2025年1月22日(水)、「STREAM Hall 2019」アカデミックスクエアを会場に開催されました。当日発表を行った4チームの企画とプレゼンテーションの概要を以下に紹介します(発表順)。

チーム:la foret

フランス語で「森」を意味するこのチームは「玉川素材を使った新たな製品」として、農学部で生産している柑橘類(ユズ、タンカン)とハチミツを組み合わせた「柑橘の蜂蜜漬け」を提案しました。この製品は、そのおいしさはもちろん、リラックス効果・気分転換・集中力向上、さらには手軽な糖分補給など様々な健康効果が期待できます。これにより「玉川ブランド」の付加価値を高め、多くの人々にアピールできる商品として企画されました。プレゼンテーションでは製造方法の詳細に加え、ラベルデザインや製品名に用いるフォントへのこだわりなども説明されました。当日は試作品が用意され、会場に集まった学生や教員は、実際に「柑橘の蜂蜜漬け」を試食することができました。

チーム 大学デビュー

このチームのテーマは「香り×教育」。開発した新商品名は「あわだまおえかきセットあまいフルーツの香りのシャボン玉」です。
この商品は甘いフルーツの香りをするシャボン玉遊びの道具セットで、フルーツ型のシャボン玉“ポイ”で遊んだり、フルーツのイラストを描いて香りをつけたり、さらにシャボン玉でのお絵描きなど、3~4歳から6歳以上まで学齢に応じて色や香りについて学びながら創造性を高める教育に結びつける工夫がされています。メンバーは玉川学園の「労作教育」そして"ESTEAM教育"のうち新たな発想や創造性を育む「Art」を特に意識したそうです。
プレゼンではメンバーの実演と動画を交えて、実際の遊び方を紹介。会場に香りをつけた紙が配布され、フルーツの香りが漂いました。

チーム マイルドストロベリー

このチームは「コスモス祭(大学祭)」での「香り」を使った体験を通して多くの方に「玉川」を記憶にとどめてもらう企画を提案しました。
その香りに選んだのは玉川大学農学部産のユズでした。ユズには「リラックス効果」「気分を明るくする効果」などがあり、「視覚と嗅覚の融合による記憶の定着」「香りによるブランドイメージの持続的な想起」により「地域社会や他大学との関係強化と認知度向上」を狙います。
まずは「コスモス祭」の際、正門に設置されるアーチにユズの香りを発する仕掛けを施し、来場者に玉川大学に対する好印象を与えます。さらにコスモス祭で「ユズの香りがする石鹸の手づくり体験とハンドソープ販売」の実施も提案しました。

チーム ゴールデンオーシャン

このチームの提案は「香り」×「プロジェクションマッピング」。季節に応じて、学生たちが集う「玉川の丘」で香りとプロジェクションマッピング、さらに音楽などもを連動させたイベントを実施。学生や教職員だけでなく、学外の人々にもアピールする魅力ある企画で、玉川大学への好感度を高め、その教育・研究にも関心を抱いてもらえるようになることを目指します。
プレゼンは「実演」中心に行われ、スクリーンに投影された映像と吹き抜けのアカデミックスクエアを飛び回る小型ドローンが発する「香り」、さらに空気ファンによって会場全体に香りのついた花吹雪が振りまかれ、来場者は香りと視覚効果が連動した面白さを体感することができました。

このプレゼンテーションには、香りと空間デザインのエキスパートであるA Green株式会社代表深津恵さんもご来場いただきました。4チームのプレゼンテーション終了後、コメントを求められた深津さんは「学生の皆さんの発表に、心を掴まれました」と感激の面持ちで語ってくださいました。

当日は、小原一仁学長、小田眞幸理事、山﨑 浩一工学部長も来場。プレゼンを行った学生たちの労をねぎらうとともに学部の専門性を越えた取り組みの意義について、それぞれの視点からお話くださいました。

最後は来場者全員による和気あいあいとしたムードの記念撮影で締めくくられた「複合領域研究210:工農芸融合価値創出プロジェクト」。7年目となる来年もきっと担当教員たちを驚かせる学生たちのユニークな発想とプレゼンテーションが飛び出してくることでしょう。

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