プレゼン相手はFC町田ゼルビアの経営トップ。経営学部の学生たちが、ファン拡大の施策提案に挑戦しました。
経営トップから直接アドバイスをもらう、またとない機会

玉川学園・玉川大学ではJリーグのFC町田ゼルビア(以下、ゼルビア)とトップパートナー契約を締結し、幼稚部から大学まで、さまざまな年代で教育連携を行っています。その1つとして経営学部ではゼルビアの経営トップの方をお招きして講義を行い、その内容を基に学生がビジネスプランを提案する、「経営塾」(指導担当:中川翔太先生)を毎年開催しています。本年度も昨年同様に、株式会社ゼルビア代表取締役COOの上田武蔵氏をお招きして講義が行われました。まず上田氏からゼルビアの現状における課題などを説明してもらい、3週間後にその解決を目的とした施策を学生が提案。今回は町田市民のゼルビアファンを拡大するために、「スタジアム」と「試合日以外の日常」における施策という課題が出されました。学生たちは7〜8名程度のグループに分かれて施策を立案し、その中から選ばれた3チームが5月13日(火)に上田氏に向けたプレゼンテーションに挑戦。学生たちにとってはスポーツビジネスの最前線を知ると同時に、経営トップの方からアドバイスをいただける、またとない機会となりました。




学生らしい視点で考えた施策を、上田氏にプレゼン
Aチーム 「ゼルビアと町田の距離をもっと近く」
AR(拡張現実)機能を活用したスタジアムツアーを提案。その中には、若い親世代が熱狂したサッカーアニメ・ゲームのキャラを登場させるといった提案も含まれていました。また東京都内のJ1チームによるカップ戦開催など、地元のチームを応援したくなるような施策も特徴的でした。



Bチーム 「町田にゼルビアの熱狂を解き放て!」
スタジアムに来場した子供や大人もそれぞれを対象としたPK合戦や、選手や監督に由来したスタジアムグルメを導入し、グルメを目当てに足を運んでもらうことを提案。また、町田のサッカー強豪校との親善試合といった提案も行われました。



Fチーム 「ゼルビアのファンを拡大するために」
町田市内の少年サッカーチームをスタジアムに招き、普段の試合では味わうことのできない、スポーツ実況も入れた上で試合をしてもらうといった案や、ファントークン※1を通して多くの人に「小さなオーナー」になってもらうという提案を行ったFチーム。トークンに関してはゼルビア内でも導入を検討したことがあり、上田氏も興味深そうに学生たちの説明を頷きながら聞いていました。
- 1)主にスポーツチームやエンタメ業界のファン向けに発行される仮想通貨



インターンシップでも役立つ、施策の立案方法を学ぶ

今回のプレゼンテーションにあたり、「ストーリー性」、「インパクト」、「リアリティ」の三つの視点で評価したいと語っていた上田氏。プレゼンを行った学生たちに質問し、全チームが終了した後には「提案した内容には我々が既に検討した案もありましたが、その中にも『こんな方法もあったか』と気付かされる部分があったり、また全く思いつかなかった提案もあり、とても学ばせてもらった発表でした」と講評を行いました。その上で学生たちに、「施策を考える際は、その前段階である課題定義をどれだけ深掘りできるかが重要になります。今回でいえば、ターゲットとなる町田市民や、課題と目標の間にあるギャップなどですね。これらをしっかりと行っていると施策にも一貫性が出てきます。こうした導入部分はサラッと流しがちですが実は非常に重要で、提案される側もしっかり見ています。今後皆さんは企業のインターンシップなどに参加することもあると思いますが、そうした場面でも活かせる考え方なので、ぜひ心に留めておいてください」と、アドバイスを送りました。
学生たちにも馴染みのあるプロサッカーチームが題材ということもあり、さまざまな施策が飛び出した今回の経営塾。学生たちも、自分たちでビジネスを創り出す面白さを実感したはずです。



