全国の首長に向け、玉川学園の生徒が提言。社会課題の解決をめざす「未来会議コンソーシアム」に登壇しました。
全人教育が生まれた地で、セッションに臨む生徒たち
内閣府SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)「包摂的コミュニティプラットフォームの構築」により立ち上げられた「わたしたちの未来会議」。玉川学園ではこの未来会議コンソーシアムと教育連携協定を締結し、本格的な情報発信や社会提言を行っていくことになりました。
ここで主役となるのは玉川学園9年生~12年生(中学3年生~高校3年生)の生徒たちです。既に5月から有志の生徒が内閣府SIPの「世の中ちょっと良くする部」に参加。現在の日本が抱えるさまざまな問題に対して自分たちで考え、中高生の目線で発信していきます。そして10月27日(月)に開催された「第33回Smart Wellness City首長研究会」では、生徒が発表する機会を得て登壇。奇しくも会場となった筑波大学東京キャンパスは、1921年に玉川学園の創立者・小原國芳が初めて全人教育を提唱した場所(当時の東京高等師範学校(現在の筑波大学)の大講堂での講演で提唱)でもあります。生徒たちは学園の理念が生まれた場所で、全国の首長たちに向けたスペシャルセッションに臨みました。
全国の首長たちを前に、臆することなく発言
当日はさまざまなプログラムが行われましたが、生徒たちが参加した「世の中ちょっと良くする部/スペシャルセッション」は、全国から集まった18名の首長やオンラインで参加する多くの有識者に対して、生徒が政策提言を行うというもの。
SIPプログラムディレクターでもある筑波大学大学院久野譜也教授による「世の中ちょっと良くする部」ローンチ宣言から始まり、登壇した12年生(高校3年生)の竹内優希菜さんは「女性のWell-being」と題して、女性が生きづらさを感じている現状や女性の社会進出を阻んでいる問題に対して提言。また10年生(高校1年生)の小嶋唯愛さんは「人生―100年時代」をテーマに若い世代は「長生き=不安」であることを訴え、アウトプットの習慣化や世代間交流の重要性について発表を行いました。首長たちを前にしても臆することなく、発表をする様子に、参加者たちもしっかりと耳を傾けていました。


またこの二人以外にも、11年生(高校2年生)の松澤凜歩さんが武蔵野銀行の長堀和正頭取による提言に対して、高校生の観点から質問。そして小原芳明理事長も、玉川学園がこの未来会議に取り組むことの意義について説明。通常の学校教育ではなかなか行うことのできない「答えのない問い」に取り組むことの重要性や、失敗の経験も無駄ではないことなどを、首長に向けて語りました。


「自分ごと」として、社会に意見することの重要性

締めくくりに行われたトークセッションでは、小原理事長だけでなく竹内さんや小嶋さんも登壇。生徒たちの提言に対しては首長から多くの反応があり、ある女性首長からは「自分が若い頃よりも女性が生きやすい社会になったと思っていたが、まだ足りない部分があったことにお二人の提言で気付かされた」といった意見がありました。普段は同世代と意見を交わすことの多い生徒たちにとっても、気付きの多いセッションとなったに違いありません。





プログラムで登壇した生徒は3名でしたが、この日は玉川学園から「世の中ちょっと良くする部」に参加する25名の生徒が参加し、プログラム前半にはメンバー全員で「学生歌」を合唱しました。今後もさまざまなプログラムで、毎回異なる生徒が登壇し提言を行っていく予定です。中・高生の視点での提言ではありますが、彼らにとっては数年後に自分たちが参画する社会への提言でもあります。今後も「自分ごと」として、さまざまな場で意見を発信していくことに期待します。
