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町田市のつめかえパックの回収率アップの施策とは? 8年生が取り組む花王×町田市×玉川学園の産官学連携によるコラボレーション授業。

2026.06.01

循環型社会の実現を、8年生が自治体と企業に提言

8年生(中学2年生)が、花王株式会社と町田市とのコラボレーションによる産官学連携授業に取り組み、班に分かれてプランを策定。提出された企画案の中から、決勝に残った班が3月12日(木)にプレゼンテーションを行いました。この取り組みは中学校 技術・家庭科(技術分野)の授業の一環で、山田真也先生が中心になって毎年行っています。
今回のテーマは「つめかえパック回収率アップに向けて ~町田市みんなでつくろう 水平リサイクルな未来~」です。町田市では2026年4月より全域で容器包装プラスチックの分別回収がスタート。また花王は1990年代から詰め替え用製品の開発・販売に着手。ただ、ボトルに詰め替えた後のパックを資源として回収するには至っていませんでした。そこで、つめかえパックなどのプラスチック資源を循環させて新たな価値を与える「リサイクリエーション」活動を通して、サーキュラーエコノミー(循環型経済)を推進しています。今回は、こうした町田市と花王の取り組みをより浸透させるための施策に、8年生が挑戦しました。この日は町田市、花王の皆さんに加えて、玉川学園の生徒も参加している独立行政法人環境再生保全機構(ERCA)のSIP(Strategic Innovation Promotion Program)推進部、花王同様にリサイクルに取り組んでいる株式会社メニコン共創戦略部の皆さんをゲストに迎えて行われました。

「自治体にはないアイデア」、「すぐ実現可能」と評価

今回、決勝に残ったのは11班。どの班も4〜5名で構成され、4分という持ち時間の中で自分たちの案やキャッチコピーをパワーポイントにまとめて提案していきます。それぞれが想定されるターゲットを考え、それに合わせた施策を提案。スマートフォンが身近な年代らしく、「CO2の削減量を可視化できるアプリの開発」や「回収をゲームにしてポイントを貯める」といった案も。また、自分たちの施策をAIに確認してもらったという班もありました。

全班の発表が行われた後、ERCAの根本忠浩さんとメニコン共創戦略部の伊藤恵利さんが登壇しました。根本さんはサーキュラーエコノミーの構築による資源の再利用を説明。実際に自動車部品の多くに使われており、今後はその比率を高めていくそうです。また伊藤さんは使い終わったコンタクトレンズのケースが廃棄されることで起こるごみ問題に言及。レンズケースは高品質ということもあり、現在はSIPと連携し、使用後のケースをお店で回収する「メニコン1Caseプロジェクト」を行っているそうです。

根本さんと伊藤さんのお話を伺った後、町田市と花王による提案に対する講評がありました。「周辺市への波及効果など、つい自分たちの市を中心に考えがちな自治体にはないアイデアもあり、たくさんの発見がありました」と町田市環境政策課3R推進係の岸野圭祐さん。また花王の研究戦略・企画部の松本泰正さんからは「コスト面なども考慮されており、すぐにでも実現可能な案が多いと感じました」との感想が聞かれました。岸野さんと松本さんが選んだ最優秀賞・優秀賞は以下の通りです。

コンロン組 2班 「応援が町を強くする」(町田市最優秀賞)

つめかえパック回収の意識を定着させるよう、FC町田ゼルビアと連携。ホームゲームでの試合でスタジアムに来場したサポーターから回収し、その回収状況をハーフタイムにスクリーンに映し出すといった施策を提案。またゼルビアファン以外へのアプローチとして、回収したパックをバリアフリー設備などにリサイクルし、認知を高めることを目指しました。

アルプス組 5班 「あなたの1パックが1票に地球の未来に」(町田市優秀賞)

リサイクルに対する意識を「正しい」から「楽しい」へと変えることで多くの人に受け入れられ、楽しく参加できるリサイクル社会を目指す施策です。つめかえパックの回収箱を二つ用意し、毎週二者択一アンケートを市民に出すことで、自分が選んだ回答の回収ボックスにパックを捨ててもらう「ナッジ理論」という考えを取り入れたものです。

アルプス組 4班 「その『つめかえ』、実は『お宝』でした」(花王最優秀賞)

「町田リサイクルクエスト」と題したこの施策。人は「面倒くさいこと」を敬遠しがちであることに着目し、わざわざ捨てに行くのではなく、何かのついでに捨てることを目指します。5パックを廃棄するごとに1回ガチャを引くことができるなど、楽しみながらリサイクルに参加する内容でした。

アトラス組 4班 「プラスチック廃棄『0』を目指して」(花王優秀賞)

ごみ収集の段階で分別されたつめかえパックを回収してもらうことで、回収にかかるコストを軽減。また回収されたつめかえパックは公園のベンチなど市民の目に触れるものへとリサイクルするという内容でした。

「いろいろなことから感じたり、考えたりできる人に」と中西先生

授業の最後に中学部長の中西郭弘先生から話がありました。「今日は多くの方から、たくさんのお話を伺いました。初めて知ったことも多かったかもしれません。これからは皆さんが普段授業で学んでいることに加え、こうしたさまざまな情報から新たな知識を得ることが増えるのではないでしょうか。ぜひ、いろいろなことから感じたり、考えたりできる人になってほしいと思います」。

産官学連携のプログラムを通して、普段の授業とは違う学びを体験した8年生たち。さまざまな社会における取り組みを理解したことで、施策の立案はもちろん、地域と連携して環境を守る意識も身に付いたのではないでしょうか。

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