「町田市の里山」を資源として活かすには?リベラルアーツ学部の学生が、町田市庁舎でプレゼンテーションを行いました。
実社会を学びの場とするリベラルアーツ学部が、町田市と連携

玉川大学リベラルアーツ学部の特色である「オフキャンパス・スタディーズ」。キャンパス外で実体験に取り組むことで、大学での学びが社会でどのように生きるのかを理解していくもので、さまざまな授業が行われています。そうした中で2026年には、町田市の自然環境の実態を理解し、その課題解決に向けた提案を行う「フィールドワーク(玉川学園・町田プロジェクト)」が開講。5月7日(木)には町田市庁舎において、学生によるプレゼンテーションが行われました。
今回の授業のきっかけは、町田市と学校法人玉川学園が2025年8月に市内の緑資源の循環利用を目的に連携協定を締結したことにあります。授業が始まった2月から、学生たちは里山の自然環境やその現状について学んだり、散策イベントにも参加。着目した課題が似ていた学生同士でグループを組み、4つの方向でプレゼンテーションを行うことになりました。
学生のアイデアを4方向に集約してプレゼンテーション
プレゼンテーションの冒頭では、授業を指導する学部長の永井悦子教授が「多彩な分野に取り組む本学部だからこそ、複眼的視野で新たな提案ができるのではないかと思っています」と、リベラルアーツ学部による提案のメリットについて触れました。ここでは各プレゼンテーションの概要をご紹介します。
里山 Canvas Project
伐採後に放置されたままの木材や未整備な状況、若年層への周知不足といった里山の現状を感じたことから、小中学生を対象に里山の整備を行うイベントを企画。その手始めとして、里山内での看板作りイベントを提案しました。料金設定からタイムスケジュール、昼食の手配など細かな部分まで考えた内容で、町田市の方からも「このまま実行できそう」という評価をいただきました。


町田で作るインテリアコーディネート
伐採された街路樹の有効活用に着想を得て、ナラ枯れ材などの里山の木を用いてインテリアをコーディネートするプランを提案。町田市と関わりのあるインテリア関連会社とのコラボレーションで、テーブルセットなどを製作。町田の木を使ったインテリア空間を作り、そこを交流の場やワークショップの場とすることで、木の循環や町田の木に付加価値を付けることを目指すという内容です。


町田の里山を味わおう!/地域の自然を味わいながら走ろう!
地域の自然環境に親しむ二つの企画を提案。「町田の里山を味わおう!」は里山に自生しているタケノコを掘り、その場で調理してみるイベント。また「地域の自然を味わいながら走ろう!」は、川崎市・横浜市とも連携し、鶴見川をジョギングしながら周辺の自然環境に触れることを目指します。


SNS発信
今回の授業を通して、里山散策の課題や町田市の取り組みを知る手段が少ないと感じた学生たちが、SNSの活用について提案。ただ「映える」画像を投稿するのではなく、里山の現状や活動の様子を玉川大学の学生が学生の視点から発信します。これにより若い世代に里山の理解を深めてもらい、イベントなどに足を運んでもらうことが目標です。


それぞれ7分程度のプレゼンテーションでしたが、その後の参加者からの具体的な質問に対しても、的確に答える学生たち。町田市職員の方からの「企画を立案する際は、『自分だったらこの企画に参加するかどうか』という視点で考えるといい」といったアドバイスを、皆真剣な様子で聞いていました。
企画立案の難しさ・面白さを実感した学生たち
この日、プレゼンテーションを行った学生にも話を聞いてみました。
- 以前から環境問題に興味があり、フィールドワークでも学びたいと思い、今回参加しました。今回の提案では、伝えたいことがきちんと伝わるだろうかということを気にしながら考えました。『自分だったら行くだろうか』というアドバイスは、その通りだなと実感しました(「町田で作るインテリアコーディネート」を担当した4年・高村柊子さん)
- 自然や子どもと触れ合うことが好きで、社会教育士の資格を取ろうと考えています。そうした中で、子どもでも参加できるワークショップを考えました。立案する上でのどんな年齢層を想定するか、予算をいくらにするかなど、細かな部分の設定が重要だと感じました(「町田の里山を味わおう!」、「地域の自然を味わいながら走ろう!」を担当した4年・持田貴大さん)
- 北海道茅部郡森町を拠点に地域創生活動を行う授業で、木材活用による交流を行ってきました。今回のフィールドワークも同様の取り組みであると感じたことが、参加のきっかけです。提案したSNSに関しては、『大学生ならでは』という部分に留意して提案。そこからの展開を考えるのが、とても面白かったですね(「SNS発信」を担当した4年・大山みくさん)
- これまでもフィールドワーク系の授業を多く履修してきましたが、今回も実際に里山を訪れないと分からなかったこと、身近な町田市でも知らなかったことが多く、それを自分の中できちんと解釈し伝えることを心がけました。リベラルアーツ学部は専門を突き詰めるというよりも複合的に考える点が魅力です。初めて知ることも多く、インプットとアウトプットが上手くできるようになりました(「SNS発信」を担当した4年・高木萌恵さん)
現場の方から意見をいただける、貴重な機会に

会場となった町田市庁舎の会議室に、永井先生も驚くほど多くの市職員の方やメディアの方が詰めかけて耳を傾けてくださった、今回のプレゼンテーション。学生たちにとってもフィールドワークからの考察・立案だけで終わらず、現場の方々から直接意見をいただける、貴重な機会となりました。またプレゼンテーション自体も、学びの範囲が広いリベラルアーツ学部らしい多彩な内容となっていた点が、大きな特徴といえるでしょう。今回の提案の中から、実際に町田市で行われるイベントが生まれるかもしれません。
