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農学部で紅茶の製造法を追究

2012.05.18

農学部の生産加工室で、有志の学生が5月14日から17日にわたり、初摘みの茶葉を使って紅茶を製造しました。生産加工室では、食品の生産加工について研究を進めており、紅茶作りは、初の試みとなります。

使用する茶葉は、大学内にある農場の茶畑で今年初めて取れたもの。農学部生物資源学科・山口聰教授の研究室で栽培しています。今回は、茶葉を摘むところから紅茶ができあがるまで、山口先生に製造法を指導していただきました。

1.初摘みの茶葉
2.摘採
3.初摘みの茶葉
4.揉捻
5.発酵 シートで包み温度と湿度を保つ
6.発酵した茶葉
7.乾燥
8.乾燥した茶葉
9.完成度を確認

紅茶製造の基本は、①摘採(てきさい:茶摘み)②萎凋(いちょう:しおらせる)③揉捻(じゅうねん:揉み込み)④発酵⑤乾燥の5つの工程です。ポイントとなるのは、③揉捻と④発酵。揉捻とは、1日かけて水分を減らした茶葉をざるの中でしっかりと揉み込み、生葉組織を破壊することです。この工程により、葉の中にある酸化酵素のポリフェノールオキシターゼとタンニンの発酵(酸化)を促進させます。力強く揉み込むことで、緑の香りが強くなり、色は深い緑色に変化、少しずつ赤みもでてきます。学生たちは、香りと色、茶葉の肌触りなど、発酵に適した状態を覚えます。

次は発酵です。揉み込んだ茶葉をバットに移し、湿度と温度を保った状態で3時間発酵させます。この工程が紅茶の香りと味を決める最大のポイントになります。発酵しすぎて渋みがでないよう、揉捻と同じように色の変化を確かめ、「乾燥」の工程に移る見極めをします。そして最後の乾燥では、赤褐色に変化した茶葉を100度の熱風で乾燥させ発酵を止めます。完成した紅茶は黒く、乾燥機から出したとたんに甘い香りが広がりました。

早速、できたての紅茶にお湯を注ぎ、色を見て完成度を確認。その結果、茶色に少し濁りがあることがわかりました。この濁りは、揉み込みが足りなかったことが原因。茶葉を見ると、ところどころに小さく葉の形が残っており、改めて揉捻の重要性を学びました。

今回の紅茶作りには、1・2年生を中心に約10人が参加。初めての実習となった1年生からは「茶摘みから一連の工程を学ぶことができ、とても勉強になった。今度は、もっと質の良い紅茶を作りたい」という感想がありました。次回は、6月に二番茶で挑戦です。よりよい紅茶を作るために、製造法の追究はさらに続きます。

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