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5年生から8年生 物理部『東京スカイツリータウン(R)キャンパス』で先端科学技術を体感

2012.06.18

6月14日、玉川学園の生徒たち45名の熱い視線が、一つのロボットに注がれました。
そのロボットの名前は、『Rosemary(ローズマリー)』。福島原子力発電所で、実際に活躍しているレスキューロボットです。オペレーターの操作で、ゴムのローラーが力強く回り動き始め、障害物を乗り越えていきます。大人の背丈ほどある階段も難なく登っていきます。生徒たちの熱い視線は、そのロボットの進む方向を一斉に追い続けます。操作用パソコンの画面が、前方のスクリーンに大きく映し出され、走行状態を一目で把握できます。ロボットが傾くと映像も大きく傾き、まるで自分たちが操縦しているような感覚になりました。

訪れたのは、世界一の電波塔が真横にそびえる東京スカイツリータウン(R)の8階、千葉工業大学『東京スカイツリータウン(R)キャンパス』です。この施設は、研究活動によって生まれた先端技術を応用した体感型アトラクションゾーンとなっています。今回、自由研究の活動として、5年生から8年生までの物理部の生徒が見学に行きました。平日にもかかわらず、東京スカイツリータウン(R)には多くの観光客が訪れていましたが、千葉工業大学のご厚意により貸切で利用させていただきました。

施設の解説は、千葉工業大学未来ロボット技術研究センター所長 古田貴之先生にご担当いただきました。数多くのロボットの研究・開発に取り組んできた古田先生は、物理部の生徒たちに分かりやすく語り始めました。レスキューロボット 『Rosemary(ローズマリー)』の実演では、「45度~60度の斜面を登ることができます」とアピール。がれきの散らばる急斜面でも上り下りできる活躍ぶりをイメージさせました。「レーザー光線の跳ね返りで、地図を作っています」と説明すると、ロボットの進んだ所が立体的な画像として表れ、現場の様子を把握できる地図が描かれていきました。そして、「君はパイロットです」と生徒にゲームパッドのようなコントローラーを手渡し、実際に操縦も体験させてくれました。『Rosemary(ローズマリー)』が、障害物を乗り越えスムーズに走行できると、一斉に拍手がわき起こりました。
過酷な現場で活躍するロボットの性能の高さだけでなく、簡単な操作で自在に動かせる高度な開発レベルを実感しました。

センシング技術を体感「魔法のカードON THE FLY PAPER」
レスキューロボットRosemary(ローズマリー)の実演
NASAから提供された画像を利用「火星探査船操縦シミュレーター」
吉田先生の説明を熱心に聞き入る
レスキューロボット操縦体験
持参したロボットへアドバイスの様子
8階「東京スカイツリータウン(R)キャンパス」を見学
現場の地図を作りながら進む
巨大ロボットが動く「超巨大ロボティックスクリーン」

次に、古田先生は3つの机の周りに生徒たちを振り分け、「ただの紙のカードですが、机に置くと違うカードになります」と、机上に注目させました。置いた途端、カードには研究内容をイメージした映像が投影されていきます。紙のカードには寸分のずれもなく映像が浮かび上がります。まるで仮想空間にいるような感覚。生徒たちは、机に次々にカードを置きながら楽しんでいます。カードに映し出された映像の一部を押すと、ただのカードがタッチパネルのように反応、さらにいろいろな動画が現れました。古田先生は「あの赤い部分が、ロボットの眼です。」と天井を指さしました。このセンサーが、一枚一枚のカードの動きと指先の位置を感じて、映像を制御していることが分かった瞬間でした。『魔法のカードON THE FLY PAPER』。先端のセンシング技術への理解を深めました。

つづいて、全長10メートル以上もの『超巨大ロボティックスクリーン』の前に立ちました。これは大迫力の画像を、4台のプロジェクタを連動させ作り出すシステムです。映し出されるロボットを目で追っている中、古田先生は「手前のiPadを操作して、ロボットの絵を1つ選んでください。」と女子を指名しました。ロボットを選んだ途端、スクリーンに大きな設計図が現れ、指先の操作一つで、細かい部分や裏側まで簡単に動かすことができました。「これは、私が設計したロボットです。設計図は簡単に動きます」と、本物の設計図に触れて学ぶ楽しさを伝えていました。

最後のアトラクションは、『火星探査船操縦シミュレーター』です。NASAから提供された本物の画像を使ったリアルな体験。コックピットにある2本の操縦桿を左右同時に操作すると、自由に火星上空を飛び回ることができます。操縦する生徒をみて、「今、みなさんは火星の名所めぐりをしています。この27キロもの一番高い山は知っていますか?」と質問しました。すると、熱心に聴いていた物理部顧問の先生から、「オリンポス山」という答えがあがりました。火星探査を満喫している中、「では、操縦桿を下方へ操作して、火星にどれだけ近づけるか、試してみよう。」と呼びかけました。しかし、上空を飛び続けるだけで、なかなか火星に近づくことができません。そこで古田先生は、「実はNASAも着陸した画像データは持っていないのです」と釈明。最先端ロボット技術により、火星の謎の解明に一歩近づいたのかもしれません。

先端の科学技術を、各アトラクションを通じて、楽しみながら体感できました。見学中、一人一人の興味を示すまなざしが、だんだん真剣な表情へと変わっていったことがとても印象的でした。それは古田先生の説明に共感し、ロボット技術の面白さに引き込まれていったからともいえます。自由時間では、古田先生に直接質問をしたり、ロボットの技術開発について話し合う姿などもみられました。また、持参してきたロボットには、「摩擦抵抗を考えて、どこまでタイヤを細くしたらよいか」など、改良点の考え方を助言する場面もありました。アドバイスを聞いた生徒からは、「古田先生の説明は、具体的で分かりやすく、これからの研究にいかしていきます」と意気込みを語ってくれました。

『東京スカイツリータウン(R)キャンパス』、先端の科学技術の面白さと未来へ可能性を体感した貴重な一日となりました。

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