芸術学部 ニューヨーク・イサムノグチ美術館館長の特別講義を受講
11月14日(水)玉川大学視聴覚センターにて、芸術学部の学生がニューヨーク・イサムノグチ美術館の館長ジェニー・ディクソン氏の特別講義を受講し、NYにおけるパブリックアートの歴史やイサムノグチの芸術作品について学びました。
受講したのは、芸術学部で『デザイン理論』『美術概論』『デザイン史』を履修しているビジュアル・アーツ学科とメディア・アーツ学科の学生200人です。今回の特別講義は、NY イサムノグチ美術館にて勤務経験のあった村山にな准教授からの講義依頼にディクソン館長が快く答えてくださり、実現しました。
ディクソン館長は、ニューヨーク市のパーセント・プログラムという、市が建設する建造物の費用の1%を芸術作品の制作と設置に使うという法令の制定に尽力し、NYのパブリックアートの基盤を築きました。講義では、多額の寄付によって同基金の設立に努めたドリス・フリードマンという女性についての紹介や、パブリックアートにはメンテナンスが大事であること、公共の場における芸術表現には許可を取らなくてはならないことなど、ご自身の体験をもとに実践的な話をしてくださいました。また、アーチストが社会の一員であること、社会に役に立つという信念を持ってパブリックアートに携わることの重要性も強調されていました。
次にイサムノグチと建築家ルイス・カーンによる遊具を取り入れた公園計画が実現しなかった背景にもふれ、ニューヨーク市の政治、治安、地域住民、経済状況、パトロンなど多様な側面から紐解き、パブリックアートの難しさと面白さを語ってくださいました。
芸術学部の学生にとって、どのようにアーチストが社会と関わるのか、アーチストを支援する組織と仕組みを学ぶ有意義な講義内容でした。講義終了後も「NYにおいて、学生でもパブリックアートは実現できるのか?」「美術館の館長としての仕事内容は?」など学生からの質問は続き、世界における芸術に関わる仕事を知る良い機会となりました。
講義終了後、ディクソン館長は教育博物館を訪問。館長の玉井日出夫教授と交流を深めるとともに、本学の全人教育に共鳴してくださいました。