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美しく、正々堂々と ―日々「玉川の剣道」を磨く剣道部訪問記

2014.07.18
稽古に励む中学部・高等部の生徒たち

玉川学園では創設から間もないころより、教育の一環として武道(剣道・柔道)を授業に取り入れ、専門家を招いて心身の鍛練を目指してきました。授業にとどまらず、部活動としても稽古に励んでいます。
玉川大学剣道部は、今年、創部50周年を迎える伝統あるクラブです。小学生から大学生までが連携して、「鏡開き」などの合同行事も行ってきました。創部当初より指導陣に、(故)範士九段、佐藤貞雄先生や(故)範士八段、井上正孝先生、それに、現在、全日本剣道連盟副会長の範士八段、松永政美先生や範士八段、加藤浩二先生といった歴代の皇宮警察の師範を迎え、「人間教育としての剣道」を追究してきました。現在、大学剣道部監督であり小学部・中学部・高等部の指導にもあたる佐藤二郎先生(中学部社会科教諭)は、(故)佐藤貞雄先生の孫でもあります。先ごろ、合格率0.8%という日本最難関の「剣道八段」合格の報を得て、剣道部部員とともに「玉川の剣道」に輝きが加わりました。
「玉川の剣道とは、男子には正々堂々とした剣道を、女子には立ち居振る舞いの美しい剣道を、と説いています。」という佐藤先生。ある日の稽古を見学するために、放課後の記念体育館・國芳殿を訪れました。

剣道部の指導をする佐藤教諭

紺や白の剣道着をキリリとまとった中学部と高等部の部員が、素振りに始まり、防具を付けて面・小手・胴の基本動作を反復し、打ち込み稽古に汗を流しています。部員18名(男子13名、女子5名)のうち大半が入部時は初心者だったそうです。『初心者には、時間をかけてゆっくりとした動作で「形」を覚えこませ、形が決まって来たら、少しずつスピードを上げ、筋力を使った力強い竹刀の振り方へとステップアップしていくことが望ましいのです。竹刀を操ることは、文字を書くことと同じだと考えています。部員には勝ち負けよりも、「基本の形」を徹底して身に付けることを重視しています。というのは文字を初めて書く時、慎重にゆっくりと書きますが、慣れるに従って素早く書けるようになります。個人の癖は筆運びが早くても遅くて現れるもので、綺麗な文字を書く人はその形のまま、悪筆の癖が付けば、それもまた同じです。直さずに素早い筆運びで書き続けていれば、一層その癖を固めてしまいます。いつまでも上手になりません。』(佐藤先生)
基本の反復練習は昇級・昇段審査で成果として現れ、「玉川の子たちは、形が非常に美しい」と佐藤先生は目を細めます。「剣道は一生できるもの。中学の頃に剣道をやっていた人が、中断期間を経て40歳50歳で再開することはよくあることです。初心者で剣道の「形」をしっかりと身に付けておけば、いつでも剣道に親しめます。」
中学部・高等部の練習後に行われる大学剣道部の数人がコーチとして指導もしています。練習に励む部員たちの表情は明るく、「稽古はきついけれど楽しい」「礼儀を学べるのがよい」「初段合格を目指している」「試合でベスト8が目標」と和気あいあいと話してくれました。

大学生の稽古はその迫力に圧倒された

中学部・高等部が1時間あまりの短い練習を終えるころ、大学の部員が続々と集まってきました。素振りが始まると、地響きのような振動が足元から伝わり、鋭いかけ声と竹刀の打ち合う音で、その迫力に驚かされました。現在、部員数30名(男子20名、女子10名)。大学から玉川学園に入学した部員が多く、ほとんどが小学生や中学生からの経験者です。女子部員の1人は昨年の全日本選手権で3回戦進出を果たし、男子も新人戦では優勝校と熱戦を繰り広げるなど全国大会出場も間近です。國芳殿入口に「全日本選手権1回戦突破」と赤字で大書し、目標に掲げています。
『試合慣れした経験者が多く、ある程度「形」はできているので、指導はアドバイス程度です。よい部分は伸ばし、直すべき部分は改めるようなアドバイスですね。また、教員を目指す部員が多く、いずれは生徒や学生を指導する立場として、彼ら自身が教員になっても成長しなければなりません。だからこそ、基礎・基本を徹底することは必須です。私は、八段に挑戦すること14回。玉川学園の創立者、小原國芳先生の「進みつつある教師のみ、人を教える権利あり」と掲げておられたことを胸に刻み、挑戦し続けてきました。』
練習中は、清々しささえ感じる緊張感が印象的です。佐藤先生は、『玉川の生徒・学生が励んでいる剣道はとても素直です。他大学剣道部と國芳殿で合同練習することがありますが、相手校の監督から「玉川の学生は、中心を取って攻め合い、思い切って打ち込んでくる。気持ちのよい稽古ができますね。」とよく言われます。これは最高の誉め言葉です。』
美しい「形」で正々堂々と相手と向かう「玉川の剣道」。皆さまの応援をよろしくお願いいたします。

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