ELFセンターの空間演出に芸術学部の学生が挑戦 センター長を招いてのプレゼンテーションが行われました
2016年4月、玉川大学の5号館は改修され、校舎は「ELF Study Hall 2015」として生まれ変わります。そしてその1階に設置されるのが、ELF(English as a Lingua Franca)プログラムによる英語学修を支援しているELFセンターです。5号館の4階から1階に移ることになったセンターの正面入り口部分は、開放的なガラスドアになっていることが特徴です。今回、新しくセンターが設置されるにあたり、芸術学部から授業の一貫として空間演出を担当したいとの希望があり、このプロジェクトはスタートしました。6月にELFセンター長の小田眞幸教授から、ELFとは共通の母語をもたない人同士でのコミュニケーションに使われる言語であることや、14の国籍、11の母語をもつ教員が指導していることなど、ELFプログラムについての説明を受けました。その際、センターから“ネイティブ・スピーカー”の英語のイメージではなく、国際共通語としての英語をイメージできるよう玉川らしいデザインで提案してほしいとの依頼を受け、7月24日(金)小田教授に対して学生たちによるプレゼンテーションが行われました。
プレゼンテーションを担当したのは、芸術学部ビジュアル・アーツ学科(現・芸術教育学科)で「情報デザイン:C(担当:中島千絵准教授)」を履修する3年生の学生たち。6月に小田教授から「非日本的空間」というコンセプトのリクエストを受け、約1ヶ月半という短い期間でプランをまとめました。
15名の学生が5チームに分かれ、提案を行います。プレゼンテーションには小田教授をはじめ、施工を担当する西松建設株式会社の方やデザインを担当する企業の方々、そして玉川学園総務部の職員も加わり、学生の説明に耳をかたむけました。また、韓国・サンミョン大学からの見学者も見学するなど、大勢の聞き手を相手にプレゼンテーションを行いました。それぞれのチームの提案内容は以下の通りです。
チーム1
「世界の懸け橋」をコンセプトに、世界樹をコンセプトとしたデザイン。緑と茶色を基調とした落ち着いた雰囲気で統一。
チーム2
世界へ羽ばたく「飛行機」、グローバルを表す「世界の名所や動植物」、それらをまとめる「渦」をデザインの構成要素とし、親しみやすいイラストで表現。
チーム3
「世界で君色の旗を掲げよう!」をキャッチコピーとし、安定感のある三角形とピクトグラムで構成。学ぶ場所にふさわしい落ち着きのあるライトトーンのカラーで構成。
チーム4
「英語とともに世界へ渡る」をコンセプトに、「世界をつなぐ海」「言葉(英語)の海」といったイメージを海から連想させるブルーで表現。魚などさまざまな海の生物のシルエットを英単語で作成。
チーム5
「世界=五大陸」をテーマとして、世界のランドマークなどをモチーフとするデザイン。シンプルなデザインながら、ガラスドアを通して世界一周ができるようなイメージを演出。
各チームとも、スーツに身を包み熱心にプレゼンテーションを行いました。小田教授を中心に「そのデザインは、裏側から見るとどうなりますか?」、「何カ国くらいの名所をデザインモチーフにしますか?」「それぞれのグループでELFセンターが掲げる多様性をどう表現していますか?」「玉川らしさはどんなところですか?」などの質問があり、それぞれの質問に学生たちは積極的に答えていました。どのグループもコンセプトが明確で、バラエティに富んでいたので、プレゼンテーションを受けた側にも多くの気づきがあったに違いありません。
今回のプレゼンテーションの中から、優れた案を採用し、4月の改修に合わせて進行していく予定です。これまでにも芸術学部では大学教育棟2014内のデザインや朔風館のピクトグラムなどの制作を実際に行ってきました。依頼側の意見を聞きながら、その要求に応えるデザインを制作・提案したことは、学生にとって貴重な体験となります。来年の4月、新しく完成したELFセンターに、学生たちのデザインが目にふれることを期待したいと思います。