観光庁の協力のもと、玉川大学芸術学部とドレクセル大学メディアアーツ&デザイン学部の学生との共同授業を実施。大学教育棟 2014で報告会が行われました。
9月15日(火)、大学教育棟 2014内のアカデミック・スクエアにて、玉川大学芸術学部とドレクセル大学メディアアーツ&デザイン学部(アメリカ・ペンシルベニア州フィラデルフィア)の学生による、共同授業の報告会が行われました。ドレクセル大学との交流は、アメリカで行われた桜祭りで芸術学部の学生が実施した文化交流が礎となりスタート。2013年度には米国大使館などの協力を得て第1回共同授業が実現しました。3回目となる今回は「両大学の学生が共に学ぶことで、日米の文化と産業構造に対する理解を深め、世界の架け橋となるグローバル・リーダーシップの育成」を目的とし、「日本の都市観光と文化・技術を伝える」をテーマに行いました。
ドレクセル大学の学生は9月6日(日)に来日。共同授業初日には本学の学生とともに観光庁を訪問し、国際観光課職員による講義を受講。訪日外客施策の推進について学びました。そこで学んだ内容を踏まえ、6〜7名程度のグループに分かれフィールドワークを実施。フィールドワークのテーマは学生が企画したもので、「お菓子づくりと日本の庶民文化」「若者ファッションの発信現場」「浅草門前町のおもてなしと工芸探訪」「皇居と中空都市構造と思想」「アニメ日米文化比較の円卓会議」「日本のものづくりと中小企業の底力」と多種多彩。実際に学生たちで町工場や秋葉原、皇居などを訪れ、様々な人に取材を行いました。
報告会の当日、アカデミック・スクエア周辺のスペースでは、直前までそれぞれのグループが準備を行っていました。そして、この授業を担当する芸術学部の藤枝由美子准教授の司会で発表がスタート。各グループがプロジェクターを使い、英語と日本語で説明していきます。どのグループも、文化的背景が異なる学生が共同で取り組んでいることもあり、さまざまな視点や発見があります。日本のお菓子について調べたグループでは、実際に菓子工場を見学。その優れた衛生管理や微妙な味の出し方などから「多民族国家のアメリカでも販売すべきでは」といった意見が出されました。また皇居について調べたグループは、ホワイトハウスやバッキンガム宮殿と比較し、都市の中心にこれだけ広大で静かな場所が存在するのはとても神秘的であるなど、海外の人ならではの視点も見られました。
報告会終了後に、参加した学生に話を聞きました。本学の学生からは「最初はコミュニケーションに不安がありましたが、お互いに興味のあるテーマだったことから、徐々にコミュニケーションが取れるようになりました。また、『日本人は表情の変化があまりないので、感情を読み取りにくい』といった意見もあり、そういうことも異文化コミュニケーションでは重要なのだと気付かされました」といった意見が。一方、ドレクセル大学の学生からは「アニメーションが好きなので、このプログラムにはぜひ参加したいと思いました。日本人にはシャイなイメージがありましたが、実際に接してみるとそれだけではないということも分かりました。秋葉原などへ行けたことも良かったですし、今回の体験を通して、日本全体についてもっと知りたいと思うようにもなりました」という意見がありました。またアメリカから学生を引率してきたドレクセル大学の吉永朱子教授は「学生からは、普通の旅行ではできない体験ができているという意見をよく聞きます。また玉川の学生はみな親切ですし、もっと長く滞在したいという声が多いですね」と語ってくれました。
ドレクセル大学の学生たちは今回の来日で、共同授業の一環として東阿部流家元から煎茶のお点前の手ほどきを受けたり、陶芸に挑戦したり、ホストファミリーの家で日本の生活を体験するなど、日本の文化に触れることもできました。このように現地視察を通して日本の地域社会に触れることができた留学生たち。空港周辺地域観光を学ぶ現地視察として、成田空港近くにある千葉県芝山町にある寺の住職や町の担当者から話を聞き、伝統文化や町の農産物などに触れた様子は、9月25日(金)付けの千葉日報に掲載されました。
来年度は玉川大学の学生が、ドレクセル大学へと行く予定になっています。交流を重ねることでこのプログラムが充実し、より良い学びの機会となることが期待されます。