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プラナリア

湧水が注ぐコンテナの中に彼らは潜んでいる

玉川学園はプラナリアの宝庫だ。何それ、と思った皆さん。プラナリアとは淡水に棲み、石の裏に貼りついている小さくて平べったい動物である。
本当?と疑った皆さん。プラナリアは箱根・須雲塾を流れる須雲川のような清流を好み、水の綺麗さを示す指標になっている。でも実は学園内の農学部農場の湧水にも驚くほどたくさんいるのだ。
見たい!と思った皆さん。ぜひ観察してみてほしい。集め方はとても簡単。鶏のレバーをストッキングに入れて30分も沈めておけば、百匹以上は捕まえられる。血のにおいを嗅ぎつけて集まるのだ。まるで吸血鬼のようだが、ルーペで覗くと思わず笑ってしまうほど愛嬌のある顔をしている。
漫画みたいな眼は光を感知するセンサー。血を吸うストロー状の口は体の真ん中から飛び出してくる。学習したことを体に記憶する能力も備えており、とても興味深い動物である。そんなプラナリアの一番の特徴は凄まじい再生能力。体を10等分すれば10匹のプラナリアに再生する。これらはすべてクローンだ。興味を持った大学生やK‐12の皆さんはぜひ切り刻んでみてほしい。

(農学部教授 有泉高史)
『全人』2019年2月号(No.835)より

プラナリア

学名:Dugesia japonica
ナミウズムシ
サンカクアタマウズムシ科
ナミウズムシ属

写真右:カミソリの刃で輪切りに10等分してみる
写真中央:2 週間後。10匹のクローン・プラナリアに再生した
写真左:餌のにおいに反応して体から飛び出してきたストロー状の口

英名のPlanariaは「平たい面」を表すラテン語planariusに由来する。分類学上は平べったい動物を意味する扁形(へんけい)動物に属している。和名にあるウズムシは、水底を移動する際に体表の繊毛運動で渦ができることによる。体長2㎝ほど。北海道北部を除く全国の河川や湧水に生息する

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