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コスモス

農学部で維持・保存しているスモーキーピンク系統のコスモス。
左上はスモーキーピンク、中はピンク、下はイエローキャンパスの花

黄色いコスモス、イエローキャンパスは、玉川大学農学部で30年以上の歳月をかけて育成され、玉川を代表する花として広く知られています。しかし、今回紹介するコスモス、スモーキーピンクのことをご存知の方は少ないのではないでしょうか。
一般的なコスモスのピンクとは異なる、そのアンティーク調の色彩は、秋の花コスモスをさらに趣深く感じさせます。この花は1970年に農学部圃場で育成されていた、あまたのコスモス中に現れた、1本の少しユニークなピンク色の花に由来しています。この後代をスモーキーピンクと命名し、今も大切に保存しています。そして、現在販売されている品種、深紅のコスモス、ディープレッドキャンパスは、この系統とクリムソンという赤い花色のコスモスとの交配をもとに生まれました。くすんだピンクの花と鮮やかな赤の花から深紅の花のコスモスが生まれる、花色の遺伝の不思議です。
黄色いコスモスと同様にスモーキーピンクとディープレッドキャンパスも、「玉川生まれ」の「玉川の仲間たち」です。

(農学部教授 肥塚 信也)
『全人』2020年9月号(No.852)より

コスモス(秋桜)

学名:Cosmos bipinnatus Cav.
キク科コスモス属

深紅の花色のディープレッドキャンパス(中)。
スモーキーピンク(左)とクリムソン(右)の交配に由来する

原産地はメキシコ。1957年にクリムソンの八重咲き花弁の先端が黄色に着色する個体が発見され、黄色いコスモスの育種が開始された。1987年に黄色いコスモスとしてイエローガーデンが品種登録された。イエローガーデンを改良したのがイエローキャンパスである

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