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サラール(レモンリーフ)

林冠が開けたやや乾いた林床に分布

ヨーロッパ、とりわけイギリスの園芸愛好家に非常に好まれる植物の一つで、日本でもブーケの添え物として用いられるサラールは、北米西海岸が原産である。植物学者David Douglasが甚(いた)くこの植物を気に入り、母国イギリスに持ち帰って庭園植物としたのが始まりである。
原産地では明るい針葉樹林の林床に普通で、伐採地跡地で密に繁茂する。土壌水分を減少させ有機物分解を抑制するため樹木実生(みしょう)に対して深刻な競争種となり、林業家からは厄介者とされている。ちなみに、Salal(学名の種小名shallonも)は先住民の言葉で「豊かな低木」を意味し、その形状にぴったりである。果実は肉厚で甘く、野生動物にとって重要なエサ資源となる。先住民は、生食または乾燥させて冬季の保存食とした。現在はジャムやシロップにも使用されている。葉は魚のスープの香り付けに、茎はスティーミングピット(屋外での調理)に用いられた。
サーモンベリーとともにわれわれの侵入を強く拒むサラールであるが、果実を食べると調査の疲れも癒やされる。

(農学部教授 南 佳典)
『全人』2024年5月号(No.893)より

サラール(レモンリーフ)

学名:Gaultheria shallon 英名:Salal
ツツジ科シラタマノキ属

北米太平洋岸に沿って分布する灌木で、土壌中の栄養が少ない立地に生育する。花期は6月~7月、8~9月に6~10mmほどの濃紫色の果実が熟し、12月頃まで残る。カナダの玉川学園ナナイモ校地あたりでは樹高1m未満であるが、太平洋に面したバンクーバー島西海岸では3mにおよぶこともある

薄ピンク色のかわいらしい花
伐開地では他の灌木種などと繁茂する

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