玉川大学・玉川学園Webサイト
IEサポート終了のお知らせ

玉川大学・玉川学園webサイトTOPページリニューアルに伴い、Microsoft 社の Internet Explorer(以下、IE)のサポートを終了いたしました。本学園が運営するサイトをIEで閲覧した場合正しく表示されない恐れがございます。
皆様にはご不便をおかけしますが、別のブラウザを利用しての閲覧をお願いいたします。

サンコウチョウ

サンコウチョウの雄。目の周りのアイリングと嘴(くちばし)は鮮やかな青色で尾は非常に長い。常緑広葉樹林に多く、村里のお宮や水田わきなどの、いわゆる里山と呼ばれる地域に普通に見られた夏鳥である

青空が眩(まぶ)しくむし暑く感じる真夏の8月。セミの声と共に木々の茂みから「フイチイ、ホイホイホイ」と聞こえる鳴き声がする。「ホイホイホイ」だけが特によく聞こえることが多い。古来、わが国ではこの鳴き声を「ツキ、ヒ、ホシ、ホイホイホイ」と聞きなして(月、日、星は3つの光るもの)三光と呼び、サンコウチョウと名付けられた。
英名はJapanese Paradise Flycatcher。木の葉がよく茂り天井部が覆われた暗い林を好む。横枝に止まって周囲の空間を眺めまわし、飛んでくる昆虫類、特にアブやガガンボなどに飛びついて捕食し、再び元の木に戻ることを繰り返すので、「フライキャッチャー」である。その時、雄の長い尾羽が空中に舞ってひらひらと揺れるので、まるでおとぎ話の天女の舞を見ているようである。
木の枝の「また」の部分に、スギやヒノキの樹皮を用い、外側にコケ類とクモの糸を絡ませて深いカップ状の巣を作る。学園では、パイプオルガンのバックミュージシャンとして鳴くこともあった。8月になると学内農場の水田わきに営巣していたが、30年以上もご無沙汰になってしまった。

(農学部教授 田淵俊人)
『全人』2024年7/8月号(No.895)より

サンコウチョウ(三光鳥)

学名:Terpsiphone atrocaudata
カササギヒタキ科サンコウチョウ属

夏鳥として本州中部以南に渡来する。冬季は東南アジアで越冬。雄は体長約45cm、雌は約17cm。属名はterps(目や耳を喜ばせる)とphone(声)で“大変よい声”というギリシャ語に由来。種小名はatro(黒)とcaudatus(尾の)で“黒い尾”を意味する。静岡県に多く、地元プロサッカーチームのエンブレムになっている

雄も「育休」する。尾が長いので飛び出して見える。秋の渡り時にはこの尾はなくなる
雌と雛。アイリングと嘴は淡い青色で背は赤茶色。雄ほど尾は長くない。巣には生まれたばかりの雛が見える

シェアする