イヌ(ラブラドールレトリーバー)
言わずと知れた人類にとって最良のパートナーといえる動物であり、近年はペットとして、愛玩目的での飼育が多くなっている。
一方で現在も牧羊犬や狩猟犬、警察犬、盲導犬など、使役犬として活躍しているイヌも多い。
南さつまキャンパス久志農場では開設当初よりイヌを飼育しており、現在はラブラドールレトリーバー(ラン・メス2歳)が野生動物の追い払い犬として活躍している。
農場周辺には野生動物が多く生息しているため、農作物被害が深刻である。岩の多い傾斜地では、フェンスや電気柵の設置が困難なため、筆者が狩猟免許(わな猟)を所持し、有害鳥獣捕獲事業でイノシシ、アナグマなどの対策をしているが、業務の合間に一人で行うため微力にしかならない。
しかし、イヌを圃場管理作業や見回りに連れていくと、野生動物の存在にいち早く気づき、追い払いをしてくれるため、農作物被害の軽減と、野生動物対策の労力軽減に大きく貢献してくれている。
飼育には大きな責任が伴うが、十分に愛情を注いで育てれば、時に人以上の仕事をしてくれる頼もしい存在である。
(農学部技術指導員 深澤元紀)
『全人』2024年9月号(No.896)より
イヌ
イヌ科イヌ属
学名:Canis lupus familiaris
英名:Dog
原種はオオカミの近縁にあたるイヌ科動物とされているが諸説ある。人間社会とともに進化し、目的に応じてさまざまな犬種がつくり出されている。ラブラドールレトリーバーは元来、鳥猟に使われる狩猟犬であるが、性格がやさしく飼いやすいため、盲導犬や家庭犬として飼育されている