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アブラナ属植物

禹長春博士(1898-1959)
「禹の三角形」とアブラナ属植物。左から、ブロッコリー、ハボタン、セイヨウナタネ、カブ、ハクサイ、カツオナ(カラシナ類)。nは半数体の染色体数を表す

あなたは「()の三角形」という言葉を聞いたことがあるだろうか。これは、アブラナ属植物の種の成り立ちとその類縁関係を明快に説明したものだ。今年はこの論文が世に出てちょうど90年になる。
著者の禹長春(う・ながはる、韓国読み ウ・ジャンチュン)は、韓国人を父、日本人を母とし、日本で生まれ、教育を受け、植物育種学者となり、農林省の試験場や種苗会社で活躍した。さらに、第二次世界大戦後は、韓国に渡り、ハクサイなどの種子生産の体制を確立、「韓国近代農業の父」と呼ばれるほどの業績も上げた。
ハクサイ、カブ、ブロッコリー、キャベツ、タカナなどのアブラナ属の野菜は、私たちの日々の食卓でなじみの野菜であろう。これらの花は、私たちが「菜の花」と聞いて思い浮かべる花のイメージにどれも似ている。何より、菜の花が咲く田園風景は多くの日本人の郷愁を呼びさますのではないだろうか。しかし、これらは似ているようで異なる種であり、また、かけあわせて多様な雑種をつくることもできる。日本人にとって、春の訪れを感じさせる黄色の菜の花、実はバラエティーに富んでいる。この春は、そんなことを頭に、散歩を楽しんでみてはどうだろうか。

(農学部教授 肥塚信也)
『全人』2025年4月号(No.903)より

アブラナ属

学名:Brassica

禹長春らは、セイヨウナタネ類(n=19)が、在来ナタネ類(Aゲノム n=10)とキャベツ類(Cゲノム n= 9 )が交雑、自然倍加したと証明した。さらに、クロガラシ(Bゲノム n= 8 )、n=18であるカラシナ類、n=17のアビシニアガラシとの関係を解明、論文化した

写真左から:学内で育てたブロッコリー、セイヨウナタネ、ハクサイの花

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