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ハコネサンショウウオ

ハコネサンショウウオの成体(福島県桧枝岐産)。幼生や繁殖期の成体には黒い爪が見られることから、英名では、Clawed salamander(爪のあるサンショウウオ)と呼ばれている

玉川学園の学外施設・箱根自然観察林を流れる須雲川は、「箱根」の名を冠したサンショウウオの生息地として知られる。ハコネサンショウウオは箱根町の天然記念物にも指定されており、澄んだ渓流と周囲の森林を棲みかにしている。須雲川では、幼生であれば簡単に見つけることができる。ところが成体は夜行性で、昼間は石の下などにひそみ、その姿を目にするのは繁殖期に限られている。
そんな成体の姿を一目見たくて、福島県の会津地方にある桧枝岐(ひのえまた)村を訪ねた。この地域では伝統的な山椒魚漁が行われており、天ぷらや燻製を味わうことができる。見た目はグロテスクだが、淡泊でクセがなく、山の恵みを感じさせる味わいであった。
ところで、これまで1種と考えられてきたハコネサンショウウオは、DNA解析によって7種に分類できることがわかってきた。筑波山に棲むものはツクバハコネサンショウウオ、四国のものはシコクハコネサンショウウオ。だんだん名前もややこしくなってきた。
農学部調査フィールドの須雲川にひっそりと息づく“本家本元”のハコネサンショウウオ。大切に見守っていきたい存在である。

(農学部教授 有泉高史)
『全人』2025年9月号(No.907)より

ハコネサンショウウオ(箱根山椒魚)

学名:Onychodactylus japonicus
サンショウウオ科ハコネサンショウウオ属

渓流に棲む細身で尾の長いサンショウウオ。全長は約15cm。幼生は水中でえら呼吸を行うが、成体は肺をもたず皮膚で呼吸する

写真左:ハコネサンショウウオが棲む渓流(神奈川県箱根町・須雲川上流)。清らかな水に育まれ、幼生は約2~3年かけて成体へと成長する
写真右上・下:山椒魚漁で得られる山の恵み(福島県桧枝岐村)。繁殖期に沢の源流で採れたサンショウウオは、天ぷらや燻製にして味わうことができる

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