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史料は語る 2

「きれいな心 よい頭 つよい体」

小原國芳 筆蹟 紙本墨書 色紙 時期不詳
縦27.0×横24.0cm

「きれいな心 よい頭 つよい体」

1961(昭和36)年4月の小学部(当時)入学式で小原國芳は「今日からは玉川っ子だ……強い体、きれいな心、よい頭……」(『全人教育』第141号)と述べた。そして祝歌「ご入学おめでとう」が歌われた。2番歌詞は「きれいな心 よい頭 つよい体の……」と始まる。
小学部卒業生の多くはこの歌を諳(そら)んじているのではないかと思う。作詞は小学部国語科教員の金平正、作曲は音楽科の勝川淑子であった。
幼・小の学校設立申請文書や50年代初期の学校要覧などには「きれいな心 よい頭 つよい体」の言葉は見られない。50年代後半あたりから小原が述べるようになり、祝歌も生まれたのではないかと想像する。
小原は全人教育の方法論として「『全人』を、幼・小の児童にやさしく説くときは『よい子』は『きれいな心 よい頭 強いからだを持つ子供のことだ』と申します……よい頭・きれいな心・強いからだは、愛の理(ことわり)である『きれいな心』で統合されねばなりませぬ」(『師道』)と明言している。
小原は真・善・美・聖・健・富の6つの絶対的価値を持つ調和のとれた人間を育成するという「全人教育」を100年前に唱え、世に問うた。その幼・小での具現化が「きれいな心 よい頭 つよい体」であった。
全人教育に共鳴し「きれいな心 よい頭 つよい体」を教育目標として、それを掲げる保育園や幼稚園が国内外に見られる。もっともっと世界に広がることを願っている。

白柳弘幸 学術研究所特別研究員

Harmony in heart, mind, and body

Kuniyoshi advocated embracing and developing six values ‒ truth(veritas),goodness(bonum), beauty(pulchritudo), holiness( sanctitas),health(sanitas) and wealth(copia)‒ in accordance with his Zenjin philosophy. He directly confronted the educational practice of forcing children to specialize in specific activities. When speaking to children about the whole person, he used the expression, “a pure heart, a good mind, and a strong body”. The concept of a good mind in this sense does not include an attitude of devotion to study for earning diplomas or certificates.

Kazuhito Obara
Managing Director, Vice President, Associate Head of School

『全人』2022年9月号(No.874)より

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