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史料は語る 13

「天馬行空 天まで 天まで 天まで とどけ」

小原國芳 筆蹟
紙本墨書 色紙 時期不詳
縦27.0×横24.0cm

「天馬行空 天まで 天まで 天まで とどけ」

天馬行空は「てんばくうをゆく」または「てんばこうくう」と読む。中国14〜15世紀の明代の文人・劉廷振(りゆうていしん)が『薩天錫詩集序』にて、天馬が自由に空を駆け巡るように薩天錫の文章や書の勢いが秀でており、思想・行動が自由奔放であると評し、広まった言葉だ。
小原國芳が成城小学校主事の時、優秀な子供たちに学年を超えた課題を与え、飛び級も行っていた。そうした様子を見た参観者が、そんなに進んだらどうするのかと質問した。それに対して小原は「『天まで! 天まで! 天まで届かしたい』……音樂でも數學でも繪でも文章でも、ただ驚かされる……特に子供の力の偉大なことを。私は、成城に来てから特に敎へられる……私共のやつてることがやりすぎるといふ人は、私にいはせれば、子供の力の偉大さを認め得ない人逹に違ひない」(『自由敎育論』)。
子供の力を見抜き、子供への信頼や尊敬があるから述べた言葉だ。子供たちは小原の言葉を聞き知っているからさらに励んだだろう。そのためか、小さな学校だったが俊才を輩出した。
玉川学園の自由研究では、個性尊重の教育として児童生徒の興味関心を天まで伸ばすことに力を注いでいる。創立50周年を迎える頃、ペガサス祭は高等部展と呼ばれていた。「これまで多くの先輩が、日頃の研鑽の成果を力いっぱい発揮した発表の場としての伝統がここにはある」(「高等部展によせて」)と小原哲郎園長(当時)が述べている。天馬行空を掲げる自由研究の伝統は、生徒と教員らによって今も創り続けられている。

白柳弘幸 学術研究所特別研究員

“To the skies, heavenly horse, to the skies”

Liu Tingzhen, a Chinese writer in the Ming Dynasty, likened poet Sadula’s talents for literature and calligraphy and his openmindedness to a winged horse flying freely in the sky.
When Kuniyoshi taught at Seijogakuen, he was surprised by students’ potential, so he introduced a system for advanced learning and accelerated progression. This system would not have existed without Kuniyoshi’s confidence and faith in his students’ abilities. After he moved to Tamagawagakuen, he started jiyu kenkyu( individual research) as an opportunity to offer education that respects individuality in order to make the most of Tamagawakko’s interests. Through jiyu kenkyu, students are expected to build a sense of unobstructed choice and infinite possibilities.

Kazuhito Obara
Managing Director, Vice President, Associate Head of School

English version finalized in collaboration with
Paul McBride
Director, Center for English as a Lingua Franca (CELF)

『全人』2023年10月号(No.886)より

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