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史料は語る 32

「敎育の秘訣は子供を尊敬するにあり
 ゆめ子供の欠点の看破者たるなかれ」

小原國芳 筆蹟
紙本墨書 掛軸装 時期不詳
縦42.0×横26.2cm

「敎育の秘訣は子供を尊敬するにあり ゆめ子供の欠点の看破者たるなかれ」

「教育の内容には人間文化の全部を盛らねばなりませぬ。故に、教育は絶対に『全人教育』でなければなりませぬ」。そのためには自学自律、個性尊重、創造教育、啓発教育、労作教育でなければならないと小原國芳は『全人教育論』など多くの場で語っている。
その具現化のひとつに自由研究をあげ「個性尊重、自学自律の教育の延長として必然の結論」(『全人』77号)と述べている。優秀な学生は自分の関心をより深く掘り下げ、広く開拓することが大事で、不得手な学生へはホントの力を見出してやり、発揮させてやる上からも自由研究は絶対に必要とし、希望のない、悦びのないところに何の教育があろうか、と問いかけている。
さらに小原はエマーソンの「敎育の秘訣(ひけつ)は子供を尊敬するにあり」という言葉を引用し、「子供の長所を承認し……個性を伸張させる……敎育の根源は何といつても、子供の生命、子供のえらさ、子供の個性の發見承認」をすることと説明している。
私事になるが、小学部に着任し初めての担任は3年生だった。草花に詳しい子は花の名前に疎い私に、礼拝堂への行き来に見る聖山の花を指して「これはシャガ、これはミヤコワスレ」などと教えてくれた。そうかと思えば「今朝の小田急線の車両は5000形だった」と嬉しそうに報告してくれる子もいた。週1回の自由学習(当時)の時間には各自が好きなことに没頭していた。その姿を見、玉川教育で大切にしていることを教えられたのである。

白柳弘幸 学術研究所 特別研究員

A Secret in Education:Respecting Children and Avoiding Judgmentalism

Ralph Waldo Emerson used the word ʻrespectʼ in the context of education:“The secret to education lies in respecting the pupil.” For Emerson, true learning does not originate from a teacher prescribing what students must know, do, or learn, but can only occur when the teacher respects the students.
Kuniyoshi drew upon Emersonʼs idea and thus emphasized encouraging childrenʼs strengths to develop their uniqueness. He also explained that the essence of education is to find and cherish childrenʼs life, greatness, and character. He often asked, “What kind of education can exist when there is no hope and no joy?”

Kazuhito Obara
President, Vice CEO, Associate Head of School

English version finalized in collaboration with
Paul McBride
Director, Center for English as a Lingua Franca (CELF)

『全人』2025年9月号(No.907)より

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