1月号特集「ELFの可能性」取材メモ
ELF(English as a Lingua Franca、共通語としての英語)という言葉をご存知でしょうか? 筆者は玉川大学に来て、実は初めて知りました。玉川大学が推進する独自の英語教育「ELFプログラム」は、「共通の母語を持たない人同士のコミュニケーションに使われる言語」を学ぶものです。

ELFの授業には何度も入ったことがありますが、「大学の英語は訳読中心の座学」というイメージを持っていた筆者には、毎回驚きの連続です。
たとえばリゾートホテルの建設をめぐって、持続可能な開発についてグループで学び、プレゼンテーションを行う――など、簡単に言うと、アクティブでインタラクティブなのです。
現在、世界の英語話者の約8割は、母語が英語ではないそうです。この事実を踏まえると、英語ネイティブスピーカーの英語をめざす学びが果たして本当に正しいのか、考えてみる必要がありそうです。
その点、ELFプログラムに関わる教員のバックグランドはさまざま。「ネイティブスピーカーの使う英語が正しい!」と思い込んできた筆者にとって、「いろいろな英語があるんだな!!」と、コミュニケーションをとるたびに、実感します。
今回の特集では、ELFプログラムの特徴から、データで見る教育の実績、学生に向けたメッセージなどを紹介します。またELFプログラムを推進するELFセンターの専任教員による、言語教育にとどまらない研究についても、ページを割いています。
ぜひ、今回の特集を通して、玉川大学の英語教育の厚みを感じて頂ければと思います。