玉川発見伝 1
小原記念館書斎で感じた創立者の息づかい
モリナガ・ヨウ Yoh Morinaga
小原記念館は、学園のシンボルである礼拝堂のそばに建つ。創立者の小原國芳が学園創立の翌1930年から1977年に亡くなるまで夫妻で暮らした自宅だ。聖山の傾斜にそって階段で上り下りする3層から成る平屋建てで、表玄関のある1階はお客の間、2階は台所など、3階は書斎や応接間を設えた居住空間として使われていた。
現在は2階が教育博物館事務室として学園史料室に。保存されるのは3階。1階も訪問者を迎える客間に利用され、当時の面影を今に伝える。
築年数は学園創立とほぼおなじ。建物の老朽化は免れず、蔵書の大半は2015年4月開館の複合施設、大学教育棟 2014に移管された。新施設2階入口にブックサロン「おやじさんの書斎」として寸分たがわず再現され、来館者を迎えている。
『全人』2015年6月号(No.795)掲載