玉川発見伝 2
今もなお生涯学ぶ姿勢を示す小原記念館の階段
モリナガ・ヨウ Yoh Morinaga
創立者小原國芳が47年間にわたり、夫妻で暮らした自宅が現在の小原記念館である。
聖山の傾斜にそった3層構造の平屋で、1階にあたる客間、台所があった2階から3階の書斎をつなぐ階段には、幅広の踊り場と緩やかなカーブにあわせた本棚がある。
創立者は京都帝国大学で卒業論文に取り組んだ際、大八車1台分の本を読んだという無類の本の虫。踊り場にしゃがみ込み、読書にふける姿は古い卒業生の記憶に残っている。
本棚は英語の原書から教育書、『全人』合本、『玉川こども百科』、『澤柳政太郎全集』などの蔵書で埋め尽くされていたが、来年からの改修工事を前に大学教育棟 2014のブックサロンに移管された。生涯学び続ける思想を支えた蔵書群が展示されている。
『全人』2015年10月号(No.798)掲載