玉川発見伝 3
礼拝堂のチャイムに創作へと昇華した労作を見た
モリナガ・ヨウ Yoh Morinaga
聖山に建つ、学園のシンボルでもある礼拝堂。建立時の名称は本間記念堂で、創立者の小原國芳が師と仰いだ“秋吉台の聖者”こと、社会事業家・本間俊平氏の印税をもとに、学園創立の翌1930(昭和5)年完成。同年10月に献堂式が執り行われた。
創成期には入学式をはじめ、あらゆる行事が礼拝堂で開かれた。今でも礼拝や行事が行われ、パイプオルガンも現役(演奏台は2代目)。85年間、学園の歴史を見守ってきた堂内には、卒業生による労作の跡が残る。
1955年3月の卒業式前夜、卒業生50名から贈られたチャイムとチャイムを打ち鳴らす手づくりのアームが、職人の手を借りず学生の手だけで正面の尖塔に取り付けられた。式当日はチャイムの音色が、丘の上から高らかに鳴り響いたという。
『全人』2016年2月号(No.802)掲載