玉川発見伝 4
海を越えてやってきた重さ3t、高さ10mのトーテムポール
モリナガ・ヨウ Yoh Morinaga
学園の南口に近い屋内プールの前広場に、トーテムポールが立てられたのは、今から35年前。きっかけは1976(昭和51)年、カナダ・ナナイモ校地の開校にさかのぼる。地元のマラスピナ大学(現バンクーバー・アイランド大学)との交流がさかんになり、学園から友好のしるしとして日本庭園を寄贈。トーテムポールはその返礼と学園創立50周年のお祝いとして、船にのり太平洋を渡ってやってきた。
作者はロバートとレグのデビッドソン兄弟。意匠は北米先住民族のハイダ族の様式で、材は樹齢300年の杉。約6カ月かけて制作された。1981(昭和56)年の献納式では、部族伝承の踊りを兄弟で披露した。一方、四季の草花、鯉の泳ぐ池のある日本庭園は「玉川ガーデン」と呼ばれ、今もカナダで愛されている。
『全人』2016年2月号(No.802)掲載