玉川発見伝 7
人を呼び寄せる“音楽の森”の主 奏楽堂と器楽演習室
モリナガ・ヨウ Yoh Morinaga
音楽研究室(現大学4号館)と勾配のある通路でつながる奏楽堂は、ログハウス風の器楽演習室とともに1968(昭和43年)、鬱蒼とした木々に囲まれた聖山の北側に建てられた。さながら音楽の森。あたりを歩けば自然とさまざまな楽器の音が耳に入りこんでくる。1973年には楽聖ベートーヴェンの銅像が近くに設置された。
ホール、練習室、楽器庫などからなる3階建ての奏楽堂。完成年には管弦楽団(創部1960年)の第3回定期演奏会が開かれた。音楽専攻や吹奏楽団、合唱団などの学生にとって鍛錬と研鑽に費やした青春の舞台。
老朽化で近々解体され、今秋竣功のコンサートホールが役目を継ぐが、べートーヴェン像も新ホール正面へと移転される予定。新たな場で音を追究し思索する姿を見せる。
『全人』2016年9月号(No.808)掲載