玉川発見伝 11
京都の名刹と縁を持つ聖観音菩薩像
モリナガ・ヨウ Yoh Morinaga
聖山のふもと、礼拝堂と小原記念館を背に立つ聖観音菩薩像。美しい姿を見せるこの像が玉川に来たのは1973(昭和48)年のこと。創立者の小原國芳・信夫妻が京都の名刹、高山寺を参詣した折、境内の聖観音像に出会う。「同じ像を玉川に」 との信夫人の要望に制作者赤堀信平氏が応じ、学園のためにつくられた像が今も丘に立つ。
創立者は「人間と仏様の間に立って、いろいろの悩みを取りもって下さるのが、観音様のお役目なんだそうです」と語った上で、この像を「とても美人の観音様です」とたたえた。
ときにはマリア観音と紹介されることもあったという。宗派にこだわらず、宗教心を育むことを大切にしてきた玉川の教育の歩みを見守るかのように、今日も優美に微笑んでいる。
『全人』2017年5月号(No.816)掲載